ディーエイチ・マテリアル(DHM)は、エポキシ樹脂の対抗技術として、優れた疲労特性を持つ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)用の高靱性樹脂を開発した。炭素繊維との界面接着性、樹脂の分子量や組成を最適化することで実現したもの。粘度や硬化性の面でも優位な特性が得られる。CFRPは高強度で軽量なため、金属代替材料として期待されている。DHMではさらなる速硬化も狙いながら、早ければ2013年にも一部用途で事業化に移行したい考え。
 DHMは、DICと日立化成工業の折半出資による不飽和ポリエステル樹脂の大手メーカー。環境対応、高機能化、複合化をテーマに新規成形材料の開発に取り組んでいる。
 CFRPは高強度や高剛性、軽量性を有し、鉄より強くアルミより軽い炭素繊維と樹脂の複合材料として需要増が期待されている。次世代航空機の機体主要部分にも採用され、低燃費化に貢献している。現在、マトリックス樹脂として主にエポキシ樹脂が使用されているが、エポキシ樹脂の場合、粘度や硬化条件から成形の場面で制約を受ける。
 DHMは、種々の硬化条件や成形条件に適用可能で、エポキシ樹脂を用いたCFRP並みの強度を発現するビニルエステル樹脂(VE)を開発していたが、CFRP市場を広げていくには長期耐久性が重要なため、その主要因子であり、汎用VEでは不十分な疲労特性に着目。炭素繊維との界面接着性などを最適化し、エポキシ樹脂利用と同等の疲労特性が得られる高靱性な変性VEを開発した。
 開発品は界面接着性に優れ、樹脂と繊維の界面破壊が生じにくいだけでなく、硬化物が高靱性のため樹脂にクラックが生じても亀裂に成長しにくく、疲労特性を確保できた。
 CFRP用の樹脂としてパイプ、容器、風力発電機ブレード、耐震構造部材、防音壁、車両向けなどの用途を見込んでいる。

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