スズキがクラストップの低燃費を実現した新型「ワゴンR」を発売した。新モデルは、車両全体にわたる重量低減の徹底により最大70キログラムの軽量化を図るとともに、エネチャージやエコクールといった先進低燃費化技術の採用により軽ワゴン最高となる28・8キロメートル/リットルを達成している。新型アルト(30・2キロメートル/リットル)に続く低燃費車の市場投入であり、「8?9割がガソリン車の現状では当面の問題として必要」(鈴木修会長兼社長)との認識から、ガソリン車の燃費競争をリードする。
 軽量化の取り組みでは、高張力鋼板(ハイテン)の積極採用によりホワイトボディーの重量で、前モデルに対して約15キログラムの大幅な軽量化を実現。新日鉄が開発したプレス工法「NSafe?FORM?LT」の適用により、軽自動車では世界初となる強度980メガパスカル級ハイテンを適用した上下一体型のフロントピラーを採用するなど、ハイテン比率(重量ベース)を41%まで高めた。また、アウターパネルへのハイテン適用やガラスランの材質変更や小型化によりドア全体で6キログラムの重量軽減を図ったほか、外装部品もバンパーなど樹脂部品の薄肉化・小型化をはじめ、燃料タンクやフロントおよびドアガラスの軽量化を進めている。
 一方、内装部品でも樹脂材料の低比重化や薄肉化、発泡化をはじめ部品の内部構造の最適化により、内装トリムで3キログラム、ドアトリムで2キログラム、インストルメントパネルで5キログラムの軽量化を達成。シートもフレームへの980メガパスカル級ハイテンの適用と部品の一体化・小型化、薄肉化により8キログラム軽くした。今後も「軽量化技術が非常に進んでおり、安全性を確保しながら軽量化を進める」(同)考えだ。
 先進低燃費化技術としては、高効率リチウムイオンバッテリーと高効率・高出力オルタネーターによる減速エネルギー回生機構システム「エネチャージ」と、時速13キロメートル以下になると自動でエンジンを停止する「新アイドリングストップシステム」、アイドリングストップ中の室内温度の上昇を抑制するエアコンシステム「エコクール」を新たに採用している。
 このうちエコクールは、デンソーが新たに開発した蓄冷エバポレーターを応用したもの。同製品は、蓄冷材を封入した蓄冷ケースの中にインナーフィンを設け、この蓄冷ケースを冷たい冷媒が通るチューブの間に挟んだ構造をしている。エアコンサイクル作動中は、冷媒チューブから蓄冷材へ直接かつ効率的な蓄冷が可能なほか、エアコンサイクル停止中は蓄冷ケースから冷媒チューブに接続したアウターフィンを通じ放冷が行われる。比較的短い走行時間でも蓄冷が完了し、同時により冷風を長い時間室内に放出することができる。
 「燃費については、これまでのガソリン車はあまり効率よく燃料を使えていなかった」(同)ことから、今後も燃費効率の向上を最優先課題に新車開発に取り組んでいく。

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