東北大学金属材料研究所とニッパツは、チタン合金の生産性向上を可能とする新技術を開発した。「αプロセッシング」という独自の加工技術により結晶粒径を適正に制御することで、低温・高速変形できる合金製造を実現したもの。同技術により圧延製造したTi?6Al?4V合金では、従来に比べて約250度C低い温度条件で10?100倍の高速加工を達成している。新技術の開発により成形品の製造コストを半分以下に低減することが可能であり、チタンのさらなる普及拡大が期待される。
 チタン合金は、比強度が高く耐食性に優れるため、航空機や化学プラント、自動車などの分野で広く使用されている。しかし、切削加工や塑性加工が難しく、低熱伝導率による焼き付きが生じやすいといった課題があり、一般的に使用されているTi?6Al?4V合金の場合、800度C以上の高温かつ低速歪み速度の条件で超塑性変形を利用した加工が行われている。
 αプロセッシングとは、チタン合金のαマルテンサイトに注目した組織制御・加工技術。加工条件の最適化によって多量の歪みを要さずとも粒径0・5マイクロメートル以下の均質な超微細粒組織を形成することができるのが特徴。既存の加工技術に適用可能であり、加工コストの低減や多種多様な力学特性の高機能化が可能。
 新技術は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の産業技術研究助成事業の一環として開発されたもの。αマルテンサイト相の内部に多量の欠陥が含まれていることに着目し、適切な条件により熱間加工を施すことで均質な微細粒組織が形成できる。この組織形成により強度や耐疲労特性といった特性向上を図るもので、圧延や鍛造、棒・線加工といったさまざまな塑性加工に適用できる。
 新技術はTi?6Al?4V合金以外にもα+β型合金であれば適用可能。今後、超塑性加工を応用した既存製品に適用すれば製造コストを大幅に低減できるため、航空機用部材や自動車部品をはじめ、化学・エネルギープラント用部材や一般民生用品などへの展開が注目される。

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