クラボウは、複合材料の本格事業化に乗り出す。繊維強化熱可塑性複合材を、3年後の2015年をめどに売上高数十億規模の事業に育成する。同一素材によるリサイクル性、軽量化、高強度を強みに自動車の天井材や床材、輸送時に使用するボックス、物流関係などへの採用を見込む。また同社が新規事業の1つとして力を注ぐ高機能フィルムと融合させた製品なども検討する。
 同社は、熱可塑性のマトリックス樹脂を繊維で強化した複合材料を「NEOMATEX(ネオマテックス)」のブランド名で展開している。短サイクルでさまざまな形状に成形することができ、生産性が高い。ファブリック、シート、サンドイッチの3タイプを揃える。熱可塑性樹脂は粘度が高いため含浸しにくいが、ネオマテックスは繊維よりも低融点の樹脂をマトリックスに使用し、緻密に織り込むことで成形性を高めた。
 一般的に複合材料には強化繊維として多く使われているガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、天然繊維などを使用するが、リサイクルが困難とされていた。ネオマテックスは繊維とマトリックス樹脂の融点の差を利用するため、同一素材でも作ることができる。PPとポリエチレン(PE)の組み合わせのオレフィン系やPP100%などは成形性がいいだけでなく、リサイクル性も高めた。
 さらに岐阜プラスチック工業のハニカム構造体「テクセル」をコア材に使用し、表裏面にネオマテックスのシートを組み合わせた「テクセル・エフビー」は、それぞれの素材の相乗効果によって衝撃特性や曲げ剛性を大幅に向上させた。
 このほど繊維補強シートの開発・生産を行う安城工場(愛知県安城市)に、ネオマテックス専用のダブルベルトプレス機を1機導入。本格生産の体制を整えた。すでに一部で採用実績が出始め、来年度以降さらに本格採用が進むとみており、軽量性、高強度が求められるオートモーティブ、物流関係への拡販を進める。今後はバイオPEやポリ乳酸(PLA)などを使用したグレードも検討する考え。

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