住友ゴム工業が新タイヤ工法「NEO?T01」を開発した。新工法は、独自工法・太陽のストリップワインディング技術をベースに、さらなる高精度化を追求するとともに、実際の仕上がりサイズで成形した金属の成形フォーマーを採用したのが特徴。ナイロン繊維などの補強材を「スチールや炭素繊維といった強靭な素材に置換できる」(池田育嗣社長)ことから、軽量化および高剛性化によるタイヤ性能の向上が可能だ。同社では、2014年発売予定の次世代軽量ランフラットタイヤの製造から導入する計画であり、高性能タイヤの差別化技術として展開していく。
 住友ゴムはタイヤの高性能化を目指して02年に独自工法「太陽」を開発。現在、マザー工場の白河工場(福島県)とタイ拠点に導入しており、累計生産本数は3600万本に達する。高性能タイヤ向けに展開する同工法はジョイントレス工法、コンピューター制御および工程連結システムが基幹技術。トレッドゴムを細いテープ状にして巻き付ける(ストリップワインディング化)ことで真円度を向上するとともに、コンピューター制御によりサイズ変更への対応を強化しており、建設予定のブラジルおよびトルコ拠点への導入を計画している。
 次世代新工法NEO?T01は、タイヤに求められる要求性能の高度化への対応を目的に開発したもので、メタルコア工法・全自動連結コントロール・高剛性構造を基幹技術としている。メタル工法では、ストリップワインディング化を推し進め、トレッドゴムに加えてプライやブレーカーといった部材までもテープもしくは短冊状に形状を変更。これを金属製の成形フォーマー(メタルコア)に自動で張り付け加硫工程まで使用することで、製品の寸法精度はもとより、各部材の配置・形状を高水準で維持することを可能とした。
 また全自動連結コントロールシステムでは、ストリップ部材の生成・加工から、メタルコアまでの貼り付けすべてを10マイクロメートル単位の高精度で制御することで、各部材を最適な重量で貼り付けることを実現している。
 成形から加硫までの工程を設計通りのサイズ・形状で行うため、補強材にはケプラーやスチール、炭素繊維といった従来法では使用不可能な伸びない(強靭な)素材を採用できることから、より高剛性なタイヤ構造の設計が可能。そのため将来的に「乗用車タイヤのリトレッドも可能となるかもしれない」(同)という。
 新工法により開発したランフラットタイヤは、補強層を現在に比べて30%強薄くすることで10%の軽量化を実現。また、真円度の向上といったタイヤ構造の高精度化や高剛性化による接地性の改善などにより、転がり抵抗の10%低減を達成している。14年から市販用として本格展開する計画であり、スペアタイヤの削減による省資源化に貢献していく考え。
 同社では「20年にタイヤ生産の4割を太陽およびNEO?T01で行う」方針であり、20年をターゲットにした新長期ビジョンの達成に向けて新工法を積極的に活用していく。

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