ダイキン工業とダイセル・エボニックは、フッ素樹脂とポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)の新規ポリマーアロイを開発した。ダイキンのナノ分散技術を活用しPEEK中に分散するフッ素樹脂の粒子径を従来の50分の1以下に抑え、耐衝撃性や成形品としての外観品質などを高めた。
 スーパーエンジニアリングプラスチックのPEEKは強度や耐熱性に優れ、電気・電子や自動車分野のなかでも過酷な雰囲気下にさらされる部品の材料として使用されている。一方、フッ素樹脂は耐薬品性や撥水・撥油性、滑り性に優れる比較的柔軟な樹脂。工業部品、自動車、家庭用品など幅広い分野で使用されている。
 PEEKに潤滑性を与えるためにフッ素樹脂のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)パウダーをコンパウンドする方法があるが、数十マイクロメートルの粒子径で分散しているためPEEK単体と比較して衝撃強度が低下する。また、PTFEの凝集物が成形品の外観品質を損ねる問題もある。
 両社はダイキンのナノ分散技術を活用し、PEEKと熱可塑性フッ素樹脂の複合化を検討。フッ素樹脂の粒子径をPTFEの50分の1以下の200ナノメートルレベルまで抑え、PEEK中に均一分散させることに成功した。
 PEEK単体より約15%柔らかくなり、取り扱い性が向上した。耐衝撃性は10倍。PEEK中に細かく分散したフッ素樹脂が比較的柔らかいため衝撃を吸収する。滑り性に優れるほか、難燃性が飛躍的に向上。PEEKの場合、1ミリメートル以下の成形品になると着火するが、開発品は0・8ミリメートルの薄さでも着火せず高度な難燃性を示す。また、PEEK単体は光照射でもろくなるが、フッ素樹脂の特性によって光による劣化を抑えた。
 フッ素樹脂が微細に分散しているので外観は滑らかでツヤのある白色となる。射出成形、押出成形、丸棒からの切削など多くの成形方法を利用できる。

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