大紀アルミニウム工業所(大阪市)は、独自開発した高特性アルミ合金の展開を加速する。高度化する市場ニーズを背景に鋳造性や熱伝導性などを向上した開発合金の普及拡大を推進するもの。高熱伝導合金では熱処理なしで180ワット/メートル・ケルビンを有するダイカスト合金(HT?2)を新たに開発。一般材(ADC12)に比べて55%高い熱伝導性を特徴に、電子機器のヒートシンクや受熱ブロックといった放熱部品向けに展開する。同社では、独自合金の取り組み強化により他社との差別化を推進する。
 大紀アルミニウム工業所は、合金開発から溶解用工業炉の設計・製作および補修までを手掛けるアルミ合金の大手メーカー。国内で5工場を展開するほか、近年では成長著しいアジア地域を中心に海外展開を積極化させている。
 独自合金の開発は他社との差別化を目的に取り組んでいるもの。保有する技術ノウハウをベースに284メガパスカルの0・2%耐力と5・4%の延びを実現した高延性・高耐力合金(NA?3)や、鋳造温度600度Cでのダイカスト実績を有する高強度合金(ECA2)などを商品化している。
 高熱伝導合金・HT?2は放熱用途をターゲットに開発したもの。ダイカスト合金の中で最高の流動性と高熱伝導性を実現したHT?1に続くもので、熱処理なしでHT?1(熱処理材)対比で約17%の高熱伝導化を図ったのが特徴。引っ張り強さは181メガパスカルと低下するが、薄肉でも充填可能な流動性と銅の添加による機械的強度の確保を実現している。
 また、部品の薄肉化に最適化したTW?1は、8・7%の延びを実現することで0・5ミリ厚の薄肉製品のダイカスト製造を可能としている。引っ張り強さ267メガパスカル、0・2%耐力106メガパスカルを有しており、一般材(ADC12)では100%鋳造割れするような設計にも対応できる。
 今後、同社ではこれら開発合金の普及促進に取り組む一方、アルミ合金のさらなる特性向上を推進していく。

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