SABICイノベーティブプラスチックスは、自動車の樹脂フェンダーで業界初という2個取り射出成形を実現した。ポリアミド(PA)と変性ポリフェニレンエーテル(PPE)の導電性ポリマーアロイグレード「NORYL(ノリル)GTX989」を新たに開発した。同樹脂を用いることで1つの金型で左右のフェンダー成形が可能となり、成形サイクルの半減と金型コストの削減を実現した。すでに三菱自動車工業の量産フェンダーに採用されており、SABICプラでは今回の採用を機にさらなる用途拡大を狙う考え。
 新たに開発したノリルGTX989は、従来グレードと比べて耐熱性が10度C向上しているため、高温環境下でのオンライン塗装に適している。また線熱膨張係数(CLTE)が従来グレード比で10%低く抑えられていることで寸法安定性が向上し、隣り合うパネルとの面差や隙の管理が容易になるとともに、大型で高精度なボディーパネルの設計が可能になるという。
 今回、ノリルGTX989が採用されたのは、三菱自動車の北米製コンパクトSUV「アウトランダースポーツ2013年モデル」(日本名・RVR)のフロントフェンダー。
 左右両方のフェンダー部品を1度に成形することで、サイクルタイムを大幅に短縮。加えて2つの個別の金型ではなく1つの金型で左右のフェンダーを成形するため、初期投資コストの大幅削減を実現した。
 さらにフェンダーを鋼板から同樹脂へ置き換えることで、車体重量を3キログラム軽減。また歩行者保護性能を向上させたエネルギー吸収ブラケットをフェンダーに一体化することで、同樹脂製フェンダーの頭部傷害基準(HIC)値が鋼板製フェンダーと比べ25%低いことを確認ずみという。

自動車関連ニュースの最新記事もっと見る