旭有機材工業は、自動車部品などの鋳型材料に用いるレジンコーテッドサンド(RCS)の低臭化技術を確立した。シェルモールド法による造型・鋳造時には独特の悪臭が発生し、製造現場の作業環境に影響を及ぼす。こうした課題を解決するため、悪臭の主な起因物質となるヘキサミンに頼らない硬化機構を開発。臭気を格段に抑えるとともに発煙も大幅に低減した。高付加価値タイプのRCSとして市場を開拓する。
 RCSは、珪砂をフェノール樹脂(シェルモールドレジン)でコーティングしたもの。シェルモールドレジンは、砂を固める際に接着剤の役割を果たす。RCSを加熱した金型に入れると樹脂が溶けてから硬くなって鋳型になる。溶融した合金をRCSで造った鋳型に流し込んで固めると、自動車のエンジン周りやブレーキ周りの部品などができる。旭有機材工業は鋳造用フェノール樹脂メーカーであるとともにRCSも製造しており、国内でトップシェアを有する。
 RCS工場は国内3カ所(栃木・愛知・広島)。月産能力はそれぞれ4000?5000トン。2014年にはインド合弁も始動し、同規模の生産能力が確保される。このほか、タイでは現地メーカーが旭有機材工業から技術供与を受け生産している。
 シェルモールド法による造型・鋳造時には、フェノール類、ホルムアルデヒド、アンモニア、アミン類などが発生するため独特の悪臭をともなう。悪臭とともに煙も出るため作業環境の改善に資する低臭気RCSに対するニーズは以前からあった。
 フェノール樹脂を3次元加工するときに使用する触媒の残渣が悪臭の大元になるという。同社はフェノール樹脂のハンドリング技術や配合技術を駆使し、触媒の機構を変えたり臭気を吸着する物質を添加したりすることなどによって低臭気RCS「ヘキサパス」を開発した。
 臭気濃度が格段に抑えられ、造型時の発煙量も目に見えるかたちで減少する。硬化速度が下がることなく、汎用RCS並みの時間で鋳型を製造できる。すでに今年度から量産を開始しており、高付加価値品として供給する。

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