共和産業(兵庫県神戸市)は、樹脂製品の品質向上を可能とする独自の金型技術を開発した。新技術は、金型表面に多孔質セラミックス皮膜を形成することで、基材(金型鋼)との接触による溶融樹脂の温度低下を抑制するもの。断熱効果により製品の薄肉化でき、ウエルドラインなどの発生を抑制することができる。皮膜形成に成長法を採用することで、一般的な溶射法に対して形状への追随性を格段に高めているのが特徴。同社では、セラミックス素材や気孔率などの研究を進めることで技術の高度化を目指す。
 成形時に注入した溶融樹脂が金型内キャビティ面に接触すると固化が進み、表面不良や充てん不良を起こす。とくに金型内で樹脂同士が合流する部分に形成されるウエルドラインは、製品の外観品質や強度特性などを損なう要因となっている。また、近年は用途分野により軽量化などを目的とした薄肉化が進展しており、金型の加熱により解決するものの温調機による制御では追加投資や冷却でサイクルタイムが延びる、金型が複雑形状になるといった課題がある。
 同社は、無電解Ni?Pメッキや光技術用特殊鋼メッキなどを展開するメッキ加工メーカー。自社開発したメッキ液や前処理に関する技術ノウハウの蓄積をベースに高度なメッキ技術を確立しており、微細な3次元のMEMS構造をメッキ技術で実現するM(メッキ)?MEMSなどの独自技術を展開している。
 新金型技術「ハイトメック」は、金型表層に独自の多孔質セラミックス製断熱膜を形成するもの。実用化されているジルコニア焼結体を上回る断熱効果を有するほか、成長法による皮膜形成により溶射法では対応困難な金型形状への適用を可能としているのが特徴。現在、膜厚50?200マイクロメートルの形成が可能であり、1000マイクロメートル以上の超厚膜メッキが可能な金型用ニッケルメッキ「ハイノップ」との優れた密着性を実現している。
 適用により金型コストは上昇するが、トータルでのコスト上昇を抑制したかたちでの品質向上が可能。現状では設備的な面から適用可能な金型サイズに制約があるものの、すでに気孔率55%を標準仕様にサンプル供給を開始している。
 同社では、膜厚500マイクロメートルの実現や気孔率や材質といったセラミックス膜のさらなる改良を進める計画。

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