JFE精密(新潟市東区)は、自動車向け冷間鍛造部品の事業展開を加速する。独自工法が有するコスト優位性を強みに熱間鍛造品やプレス加工品からの代替を推進するもの。電動パワーステアリング用コアメタルでは、市場の伸びを背景に昨年から中型車・小型高性能車向けに採用が拡大しており、事業の高付加価値化を目指してスプライン形状までの一貫加工に向けた技術開発に着手した。同社では、精度評価など周辺技術の蓄積も進める方針であり、積極的な取り組みにより同事業の規模拡大を目指す。
 同社は粉末焼結材・冷間鍛造材の製造販売とPVDの受託加工をコア事業とするJFEスチールの全額出資子会社。粉末焼結材でタングステン系をメーンに携帯電話用振動子やマイクロレンズユニットの重りなどを手掛ける一方、PVDでは独自の高機能セラミックスコーティング・SXシリーズ、VSXシリーズなどを展開している。
 同社の冷間鍛造部品はJFEグループで生産する高級冷間鍛造用丸棒鋼を素材に独自工法で成形するもの。偏肉がなく長尺中空品の製造が可能なほか、ニアネットシェイプを実現しており、内外径切削の省略または削減ができるのが特徴。表面処理を含む金型技術と高度なシミュレーション技術を有するとともに、素材からの開発体制をグループ内で構築しており、すでにトランスミッション部品などで採用されている。
 電動パワステ用コアメタルは、寸法精度の高さから熱間鍛造品に比べて後加工が少なく、また板材を材料とするプレス品に対しては工程数や歩留まりの面で優れているのが特徴。近年の電動パワステの普及を背景に採用が拡大傾向にある。スプライン形状までの内製化は素材から部品供給へと事業の高度化を図るのが目的であり、早期に品質保証を可能とする体制を構築する計画。また、新たにハイブリッド車(HEV)向け製品の開発や部品の小型化にも着手しており、品揃えの拡充にも取り組んでいく方針だ。
 同社では、将来的な海外展開も視野に自動車分野における規模拡大を積極的に推進していく。

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