I.S.Tグループのスーパーレジン工業は、中国で独自の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)成形事業に乗り出す。中国・寧波に第2工場を設け、今年夏から量産を開始する計画。熱硬化性樹脂を使いながら低コスト化を実現した特徴が評価され、一昨年から採用されている国内メーカーの携帯電話などの筐体向けに加え、2件の新規テーマも立ち上がっている。乗用車部材向けを含め引き合いが相当数に上り、急速な量的拡大に対応するため新たな生産拠点を設置する。
 同社のHTC(ハイスループットコンポジット)成形は、従来型のオートクレーブを用いた製法とほぼ同等の精度を維持しながら、成形サイクルの大幅な短縮が可能。オートクレーブ成形に比べて5分の1?10分の1という大幅な低コスト化を実現している。エポキシ樹脂を含めた多様な熱硬化性樹脂を使用できるうえ、複数の樹脂の組み合わせにも対応することができる。昨年から既存の津久井工場(神奈川県相模原市)に加え、坂浜工場(東京都稲城市)にも量産設備を導入し月産50万個の量産体制を整備ずみ。
 熱硬化性樹脂を用いた3次元構造のCFRP成形で低コストと高品質を両立していることから、同社への引き合いは強く、一般産業用途や耐久消費財、乗用車部材を含めてさまざまな開発テーマが俎上に上っている。今後、中国第2工場が稼働すれば新工場を一層の低コスト化が可能なボリュームゾーンの生産拠点と位置付ける一方、坂浜工場をクイックデリバリーの工場としてすみ分けを図る。
 中国・寧波では昨年6月から現地大手企業である杉杉集団との合弁で設立した寧波麗成超級樹脂有限公司において既存法を中心としたCFRP成形の操業を開始。着実に受注を伸ばしており、今年は大型マシニングセンターの増設を予定している。
 今回、HTC成形への高まる要求に応えるため、杉杉集団から既存工場近接地に第2工場として工場建屋を借り受ける。6月までに内装工事を完了した後に設備を据え付け、8月からの量産開始を計画する。HTC成形で必要となる樹脂およびプリプレグは日本から持ち込む。

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