帝人は、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム「テオネックス」の需要分野を広げる。市場拡大が見込まれる固体高分子型燃料電池(PEFC)用部材として提案を強化する方針。高耐薬品性や耐久性などを生かし、固体高分子膜の工程フィルムや触媒層転写用フィルム、ガスケット部材として訴求していく。10年後には燃料電池自動車(FCV)を中心に燃料電池向けの売上高を30億円に拡大する。
 テオネックスは帝人デュポンフィルムが生産する高機能ポリエステルフィルム。耐熱性や耐加水分解性、ガスバリア性などの特徴を有する。製造拠点は岐阜と宇都宮。磁気テープや電子回路向けなどが好調に推移し、2012年度の出荷量は4000トンを予定している。13年度には12年度比約10%増の出荷量を計画している。
 今後は既存用途に加えてPEFC向け部材としての提案を強化する。ロール・トゥ・ロール(RtR)方式によるPET系フィルムの大量生産体制を生かし、バッジ方式に比べ約100分の1となる製造コストの低減効果を訴求していく。
 固体高分子膜の工程フィルムとして膜の補強やコシのないフッ素系膜の加工性改良用が有望。優れたヤング率を生かし、膜・電極接合体(MEA)の補強材としても提案する。また、触媒層の劣化や汚れを防止する転写用フィルムや気密性・シール性を高めるガスケット部材向けの開拓を進める。
 現状、「PEFC向けの採用は微々たるもの」(帝人デュポンフィルム)だが、15年以降に自動車メーカーが市場投入を計画しているFCV向けを中心に採用を目指す方針。10年後の売り上げ目標30億円のうち、約50%をFCV向けとして想定している。

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