阿波製紙(徳島県)は、炭素複合材「CARMIX(カルミックス)」の事業展開を加速する。新たに炭素繊維に未硬化の樹脂を含浸させたシート(プリプレグ)を積層して硬化させた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を開発し、用途開拓に乗り出した。開発品は炭素繊維シートの均一性が高く強度にばらつきがなく、また炭素繊維が端面まで配されるため、端面の脱落や破損がなくプリプレグの高歩留まり化が可能。現在、商品化に向けて最適仕様の検討を進めており、同社では早期事業化を目指す。
 同社は、製紙技術をベースに事業を展開する機能紙および不織布の製造販売会社。主力の自動車用途でエンジン用ろ材やクラッチ板用摩擦材を国内外で生産するほか、水処理分野においては海水淡水化や超純水製造向けに分離膜の支持体の生産・販売を行っている。開発型企業を志向しており、外部との連携などにより製品の高機能化・高付加価値化に取り組んでいる。
 カルミックスは同社が展開する炭素複合製品。黒鉛や活性炭、炭素繊維などのシート製品を商品化しており、導電性や熱伝導性、脱臭機能などの特性をベースに用途展開を図っている。とくに抄紙・加工技術を応用して開発した紙製放熱シート・フィンは、UL94V?0相当の難燃性と優れた温度耐久性を確保しつつ、放射により金属フィンと同等の放熱性能を実現。すでに金属ヒートシンクの3分の1の軽さからLED照明の放熱材として採用されている。
 カルミックスCFRPは、炭素系素材抄紙技術を応用したシート加工品。短繊維の採用により長繊維CFRPに比べて穴あけや切削といった加工を容易としているほか、シート化工程内でさまざまな機能付与が可能だ。軽量・高強度かつユーザーニーズに応じた機能付加により幅広い分野で採用を見込んでおり、自動車や機械、建築・土木など向けに用途開拓を進めていく考え。

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