大同工業(石川県)は、新たに熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(CFRTP)の大型プレス成形技術を確立した。ラミネート材を材料に成形温度を制御することで、直径300ミリメートル超の深絞り成形を可能とするもの。同技術を活用して試作したCFRTPとアルミ合金のインホイールモーターでは、ホイールバランスを確保しつつ大幅な軽量化を実現している。同社では、積極的な技術開発により素材バリエーションを拡充することで他社との差別化を図る。
 同社は自動車や二輪車、産業機械用のチェーンやリム・ホイールなどを主に事業展開する機械加工メーカー。事業の競争環境が厳しさを増すなか、ロールフォーミングやフラッシュバット溶接など加工技術を積極的に取り入れる一方、マグネシウムやCFRPといった新素材に関する技術開発を推進している。現在推進中の中期計画では、2014年度に連結売上高500億円、営業利益率8%を目標に掲げ、二輪・四輪用製品の海外生産拡大などを積極化している。
 CFRTPのプレス成形技術は、急速に高まる市場の軽量化ニーズに対応するもの。CFRTPは、熱硬化性CFRPと異なり熱を加えることで成形が可能だが、プレス成形においては材料の金型追従性などから深絞り加工が難しく、割れなどの成形不良を起こしやすい。そのため比較的小さなものに製品サイズが限られているのが現状。
 同社では、プレス成形における材料および金型の温度に関して独自の制御技術を確立することで、300ミリメートル超の深絞り加工を可能とした。CFRTP製ホイールインモーターは、確立したプレス成形技術とリムおよびホイールに関する技術ノウハウをベースに試作したもの。アウターローターコアに直径334ミリメートルのCFRTPディスクとアルミ合金製のリムおよびハウジングを組み合わせた構造となっており、強度を確保しつつ大幅な軽量化を実現している。
 CFRTPの実用化についてはコスト的な課題があるものの、同社では自動車分野を主に量産性に優れたプレス技術の応用を進めていく考え。

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