日本ユピカは、「脱オートクレーブ成形」に対応した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)用の高機能熱硬化性樹脂を開発した。樹脂設計の工夫によってエポキシ樹脂利用と同等以上の機械強度を確保。低粘度のため真空減圧によって樹脂を引き込む成形法に容易に適用できる。オートクレーブを使ったエポキシ樹脂利用のCFRPと比べて硬化時間は半分以下。同社は車両向けなどに売り込み、新たな事業の柱に育成していく。
 CFRPのマトリックスはエポキシ樹脂が主流で、成形には圧力釜のオートクレーブを使うのが一般的。金型を釜の中に入れて加圧状態で成形する方式で、ガス圧が均一にかかるため高い寸法精度が得られる。成形されたCFRPは機械強度に優れるが、硬化が遅いため成形型の占有時間が長く高温硬化が必要なため成形型の寿命が短い。大型成形品に対応しにくい難点もある。
 このほか、RTM(レジントランスファーモールディング)成形やVa(バキュームアシステッド)RTM成形がある。VaRTM成形は真空ポンプで樹脂を引き込み、真空状態を保ちながら熱をかけて固める成形法で、樹脂の粘度が高いと樹脂を引き込めない。エポキシ樹脂CFRPでも一部利用されているが、粘度が高いためあらかじめ樹脂を加温する必要があり、硬化の温度が高く時間もかかる。
 日本ユピカが新たに開発した「CBZ」シリーズは、RTM成形やVaRTM成形に最適なCFRP専用樹脂。独自の樹脂設計で炭素繊維との密着性を高め、圧縮強さや層間せん断強さに優れる。常温で粘度が低く、粘度を表す単位値はエポキシ樹脂と比較して1ケタ小さい。低温で硬化でき、硬化時間は3?5時間。エポキシ樹脂利用の場合は4?6時間余計にかかる。型の占有時間を短縮できるほか寿命も延ばせる。また、エポキシ樹脂用の炭素繊維がそのまま適用できる。
 軟質グレードから耐熱グレードまでを揃え、難燃グレードの開発にも成功した。5品目のうち4品目はウレタンアクリレート系で、1品目はビニルエステル系。今月からサンプルワークを始めた。

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