倉敷ボーリング機工(岡山県倉敷市)は、市場の軽量化ニーズの高まりを背景にアルミニウム(Al)やマグネシム(Mg)といった軽金属向け超硬質表面処理の提案を強化する。この表面処理技術は基材に熱影響を与えることなく硬く緻密な皮膜を形成できるのが特徴。ほぼすべてのAlおよびMg合金のほか、硬質陽極酸化が難しい銅(Cu)を含む合金にも適用できる。Al合金では600~1900HVの高強度化が可能であり、同社では自動車・二輪車用部品や機械部品などでの採用拡大を目指す。
 同社は機械加工および溶射による表面処理を軸に事業を展開する部品加工メーカー。資材調達から熱処理・機械加工・溶射・研磨加工までの一貫生産体制を構築しており、寸法復元や耐摩耗性・耐食性といった機能性を付与する溶射は石油化学、石油精製、造船、鉄鋼など幅広い分野で採用されている。製紙機械に使用されるプレスロール用セラミック溶射皮膜では国内トップシェアを有する。
 提案活動を強化する表面処理「KURA CERA」は、AlやMgの表面に10?150マイクロメートルの緻密なセラミックス層を均一に形成する技術。硬質陽極酸化はもとより硬質クロムメッキや溶射アルミナ皮膜を上回る高硬度化を実現しているほか、耐摩耗性では溶射アルミナ皮膜の約4倍を実現している。また、緻密な機能層の存在により優れた耐食性も有しており、Al合金の塩水噴霧試験では2000時間以上の耐食性を確認している。
 実部品への適用では複雑形状への均一な成膜が可能であり、陽極酸化のようにエッジ部に割れなどが発生しないほか、膜表面が多孔質なので塗装などのアンカー効果を付与することも可能。また、独自の電解質溶液は、クロムなどの重金属をはじめアンモニアといった毒性のある化学物質を一切含まず環境適合性にも優れている。
 同表面処理はAlは2000系、5000系、6000系、7000系および鋳造合金に適用でき、Mgではすべての合金が処理可能。すでに機械部品向けに商業生産を開始しており、同社では次世代表面処理技術として普及拡大に取り組む考えだ。

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