新日鉄住金は、自動車骨格部品に適用可能な強度1・2ギガパスカル級溶融亜鉛めっき鋼板(めっきハイテン)を開発した。冷延鋼板では1・2ギガパスカル級ハイテンを製品化しているが、メッキ鋼板は工程の制約から鋼材特性の作り込みが難しく強度上限が980メガパスカル級にとどまっていた。今回、めっきプロセスを考慮した成分設計と製造工程の最適化により実現したもので、今年3月にスズキが発売した新型車のフロアサイドメンバーとして採用された。1・2ギガパスカル級めっきハイテンの車両骨格部品への適用は国内初。
 近年、車体軽量化ニーズの高まりを背景に、自動車部品における超ハイテン化の動きが加速している。すでに冷延鋼板では980メガパスカル級が実車採用されているほか、1・2ギガパスカル級についても日産自動車が今年北米で発売する「インフィニティQ50」に採用するなど実用化が進んでいる。自動車用防錆鋼板として広く採用されている亜鉛メッキ鋼板でも超ハイテン化が取り組まれているが、溶融めっきプロセスにおける熱影響や亜鉛めっきの密着性といった特有の課題から超ハイテン化が遅れていた。
 開発した1・2ギガパスカル級めっきハイテンは、車両骨格部品用で世界最高強度を有する溶融亜鉛めっき鋼板。今回、高強度化を目的とした添加材の配合を見直すなどめっき工程を考慮して合金成分の最適化を図る一方、焼鈍といった製造プロセスの高度化を進めることで、強度と成形性の両立が可能な微細金属組織を実現した。スズキの新型軽自動車「スペーシア」では、主要骨格部品であるフロアサイドメンバーに同めっきハイテンを採用。従来の440メガパスカル材からの置換により30%の薄肉化を図っている。
 1・2ギガパスカル級亜鉛めっきハイテンの開発により、自動車骨格部品におけるハイテン材の適用範囲が拡大することは確実。同社では、プレス成形など加工技術を含むソリューションの提供を通じて、自動車の衝突安全性向上と軽量化に貢献していく。

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