独ティッセンクルップは、独自開発したテーラードテンパリング(局部焼き入れ)技術による車体骨格部材の軽量化を提案する。同技術は、ホットプレスの金型内における冷却速度を制御することで、部材個所に応じて異なる機械的特性を付与することが可能。生産工程上、異なる強度特性の鋼板を用いている骨格部材を1枚のブランク材で成形できる。Bピラーへの適用事例では、600メガパスカル級ハイテンの冷間プレス品(板厚2ミリ)を1500メガパスカル級(1・7ミリ)に置き換えることで17%の軽量化を実現している。現在、世界最高レベルの1900メガパスカル級の実用化を進めており、軽量化用途で業界をリードする考えだ。
 ティッセンクルップは自動車関連事業として自動車用鋼板、シャーシ、パワートレインを展開するドイツ企業。総売上高の約20%を自動車分野が占めており、国内ではティッセンクルップ・スチール&テクノロジーおよびティッセンクルップ・プレスタが主体となり、自動車各社に製品・技術を提供。また、JFEスチールとは2005年にボディー用鋼板の合弁企業を設立している。
 同社が提案するテーラードテンパリング技術は、金型に温度差をつけてブランク材の冷却速度に差をつけ組織変態を局部制御することで金属組織を任意に変化させ、成型後のブランク材の機械特性をコントロールするもの。高強度部と延性部が設定でき、接合部削減による部品数・重量の軽減化が可能だ。実用化に際しては、金型温度をはじめ型内保持時間や材料板厚などをベースにしたシミュレーション技術を確立している。
 Bピラーに用いた事例では、1500メガパスカル級鋼板に置換することで600メガパスカル級部材に対して12%のコスト低減と17%の軽量化を実現。1500メガパスカル級と340メガパスカル級のテーラードブランク材で置き換えた場合(コストで5%減、重量で15%減)を上回る軽量・低コスト化を達成しており、すでにアウディA3で採用されている。
 また、現在は世界最高水準の引張り強度1900メガパスカル級を有する新鋼種・MBW1900による実用化に取り組んでいる。試作レベルではBピラーおよびレインフォースメントの合計で、1500メガパスカル級に対して最大5%の軽量化が見込むことが可能との知見を得ている。
 同社では、フロントフレームやルーフフレームなどをターゲットに日系自動車メーカーに採用を働きかけていく。

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