カルソニックカンセイは、独自技術をベースにインストゥルメントパネル(IP)事業の規模拡大を推進する。ウレタン成形ソフトIPで本革IPからの置き換えに取り組む一方、品質とコストを高い次元で両立した射出成形表皮ソフトIPでは付加価値向上と原価低減を進め採用車種の拡大を狙う。また、無塗装ソフトフィールIPは、低コスト・環境負荷低減を売りに中小型車種での採用拡大を図る。とくに汎用設備での生産を実現した射出成形表皮ソフトIPは、すでに中国、タイおよびメキシコにおいて量産を開始しており、グローバル同一品質の提供が可能な差別化製品として普及を図る考えだ。
 同社は、コックピットモジュール(CPM)および内装品事業の主力製品としてIP事業を展開中。独自技術による内製化により、大型高級車向けから小型廉価車向けまでの製品群を取り揃え、世界各地に展開する生産拠点から日系をはじめとした自動車メーカーに製品を供給している。
 現在、車種のグレードに応じてエントリー、ミディアム、ラグジュアリーのカテゴリーに分けた製品開発を進めている。このうちエントリー向けの無塗装ソフトフィールハードIPは、接触率を向上させるベースシボ形状と表面に付与する微細シボで低光沢高触感を実現。高品質化を図りながら、無塗装化による工程省略(低コスト化)およびVOC削減などの環境負荷低減を達成しており、日産ノートなどへの採用実績を有する。
 また、ラグジュアリー向けでは、本革と同等の触感を有するウレタン成形表皮ソフトIPを商品化。同製品は本革と同様に表層近くを密に、内部を粗くした2層構造を採用するとともに、表面に凹凸形状を設けることで質感の向上を図った。すでに量産車に採用されており、本革および合皮をはじめパウダースラッシュ工法のTPU品や真空成形法によるTPO品の代替を狙う。
 とくに注力するのが、ミディアム向けに高品質・低コストを実現した世界初の射出成形表皮ソフトIP。同製品は、専用に開発した高流動材と金型ゲート位置の設定や型内樹脂圧力の調整といった独自の工夫により、汎用の射出成形機で通常の生産サイクルでの生産を可能としたのが特徴。真空成形工法に対して材料歩留まりを2?3倍に改善できるほか、パウダースラッシュ工法に対しては製造工程で排出されるCO2量を約60%低減でき、生産サイクルも5分の1に短縮化した。
 汎用射出成形機による生産を可能としたことで、他製品との成型設備の共有化による設備稼働率の向上も図れるといった利点もあり、すでに中国をはじめ海外拠点での量産化をスタートさせている。同社では、IP事業のグローバル展開を担うコア技術として、さらなる付加価値向上および原価低減に取り組む計画であり、対応車種の拡大により競争力向上につなげていく考え。

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