大貫工業所(茨城県日立市)は、独自の摩擦撹拌接合技術(FSPT)の用途開拓を推進する。同技術は、金属板に設けた貫通穴に回転体を圧入し、生じる摩擦熱で内面側から摩擦撹拌により接合するもの。一般の摩擦撹拌接合(FSW)が2枚の金属板の接合を主とするのに対して、3枚以上の金属板を接合できるといった特徴を有しており、異種金属の接合やカシメ加工からの置き換えを狙う。同社では、ブスバーやヒートシンク、モータコアといった用途での採用を見込む。
 FSPT(フリクション ステア プロセス テクノロジー)は、積層した金属板の全層を貫通する摩擦撹拌接合用の穴を設け、同穴と同一もしくはそれ以上の太さの挿入ピンを回転させながら圧入していく技術。挿入ピンと穴内面に生じる摩擦熱により、積層金属板同士を摩擦撹拌で接合する。3枚以上の積層板の一括接合や異種金属同士の接合が可能なほか、接合温度が融点以下なので歪みが少なく研磨処理など接合後の後加工が不要。また、外部熱源や特殊雰囲気を必要とせず、金属原子同士の拡販接合のため接合強度が高いといった特徴がある。
 接合強度ではアルミ合金同士(アルミ厚1ミリ、接合穴径6ミリ)の場合、7回の試験片による平均最大応力が48・75メガパスカルとスポット溶接に比べて2倍を数値を示した。また、銅(1ミリ厚)とアルミ合金(1ミリ厚)の場合では同164・75メガパスカルとスポット溶接の6倍まで強度がアップしていることを確認している。
 モータコア用積層部品に適用した場合、従来の積層カシメ加工からの置き換えによって製品の高信頼性化が見込めるほか、固定子鉄心や回転子鉄心では天津の内周面を接合用の穴として利用することも可能だ。また、アルミ製ヒートシンクやEVやHV向けに需要が拡大しているブスバーなどの接合方法として適用可能とみている。
 同社では、積層した金属板をカシメ方式と同等の所要時間で接合可能できることから、新たな接合技術として提案していく。

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