大貫工業所(茨城県日立市)は、金属・樹脂一体成形による封止技術を開発した。新技術は特殊エラストマーを介在して金属と樹脂を一体化するもの。分子レベルの接合により高気密性を実現しており、ヘリウム(He)を用いた透過試験でリーク圧3メガパスカルを有することを確認済み。射出成形での封止化が可能であり、既存のカシメ方法に対して生産性などに優れるのが特徴だ。金属および樹脂ともに幅広い素材に適用できることから、リチウムイオン電池や半導体パッケージをはじめとする一体成形品向けに提案していく計画。
 同社は、プレス技術をベースに事業を展開する部品加工メーカー。金型設計から組立までの一貫生産体制を構築し、金属部品や端子類、各種モールド品をはじめ電池ケースやLED部品などを生産している。技術開発型企業を志向しており、独自技術を軸に製品の高付加価値化や低コスト化の提案を推進している。
 開発した金属・樹脂一体成形技術は、特殊エラストマーと金属を分子レベルで密着させ、さらにエラストマーと樹脂を化学接合するもの。アルミやマグネシウム、銅、ステンレス、チタン、鉄などの金属素材に対して、PPSやPBTをはじめPET、PC、LCP、ABSなど多様な樹脂を一体化させることが可能。アルミ合金(5052)とPPSの場合、引っ張りせん断強度で143メガパスカル、剥離強度(最大荷重677ニュートン)で1・56メガパスカルを有する。また、ガスリーク試験によりPPSとの組み合わせでアルミ、銅ともにリーク圧3メガパスカルを有することを確認している。
 同社では、その特徴を生かして封止用途を主に市場開拓に乗り出す。リチウムイオン電池の電極板などでは、フタ部の金属にゴムシートを接合し、その外側を樹脂で覆い加締め力で封止するカシメ方法が採用されているが、これを新技術により射出成形に置き換える。採用により部品点数や作業工数が削減できるほか、樹脂靱性が必要なカシメ方法では使えなかった強化樹脂の使用が可能となる。同社では、生産性や接合性で40%程度の向上が見込まれることから、電子装置や各種センサー部品などをターゲットに早期事業化を目指す。

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