東洋プラスチック精工(TPS、本社・東京都中央区、遠山和年社長)は、ナイロン樹脂をマトリックス樹脂に使用した炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)を開発、「TI?AC」シリーズとして本格的な拡販を進める。マトリックス樹脂にポリフェニレンサルファイド(PPS)を使ったグレードの開発も進める。まず電気・電子機器の筐体やハウジング、航空機の2次構造体への採用を目指し、将来的には自動車部品への採用を目指す。
 TPSは、東レグループで樹脂成形加工を手掛ける。射出成形、押出成形、コンパウンドの3事業を中心に展開している。
 炭素繊維強化樹脂(CFRP)は成形に時間がかかる熱硬化性樹脂から、より量産性の高い熱可塑性樹脂を用いたCFRTPの開発がさかんに行われている。ただ、CFRTPは押出成形するとガスやボイド(空洞)が入りやすく、クラックも発生しやすいことから、押出成形のグレードがなかった。
 TI?ACはナイロン樹脂をマトリックスとする押出成形のCFRTP。TPSはナイロン樹脂をCFRTP用に改良するとともに、炭素繊維を長さ0・2?0・3ミリメートルのチョップドファイバーにしTPS独自のコンパウンド技術を組み合わせ、ペレットにした。厚みのある固化押出板材や、溶融押出によるシート、異形押出などの成形加工が可能。さらに加工して真空成形や熱プレス成形、スタンパブルシートなどにもすることができる。切削加工性も良好で既存設備をそのまま使うことができる。
 また、TI?ACはナイロンの新規用途開拓のための素材としても提案を進めていく。ナイロンは単体では真空成形ができない。ナイロンは融点が高く、かつ軟化温度と溶融温度の幅が狭い。このため、シート状にする場合真空成形に先立って行われる加熱工程において、他の樹脂よりも波打ったり垂れ下がったりしてしまい、温度管理が非常に難しいためだ。
 TPSは、今後も東レグループがもつナイロン樹脂、炭素繊維と自社の技術を組み合わせて、さらに開発を加速していく。

自動車関連ニュースの最新記事もっと見る