住友軽金属工業は、独自合金をベースに他金属のアルミ代替を推進する。電気伝導用途向けには銅代替として強度と熱・電気伝導度を両立した「EC2?T6」の普及を狙う。置換により重量で45%、材料コストで73%の低減化が可能であり、バスパー(配線材料)やインバーターなどをターゲットに取り組みを強化する。また、筐体用途ではステンレス代替として強度特性に優れる「GM55?H38」を提案。重量軽減はもとより非磁性といった特性が評価されて携帯端末のシャーシ向けに採用が広がっており、応用製品のさらなる拡大に取り組む。
 銅代替として提案するEC2?T6は引っ張り強さ(N/平方ミリメートル)が205、熱伝導率(ワット/メートル・度C)が214、導電率(%IACS)が57で比重は2・7と銅の3分の1。同等の熱・電気伝導性の場合、性能の確保のために銅に対して断面積を1・8倍にする必要があるが、大幅な重量および材料コストの低減が可能。すでにハイブリッド車(HV)用のバスパーや太陽発電ユニットのインバーターで採用実績がある。
 一方のGM55?H38は0・2%耐力(MPa)310、伸び12%とステンレスに比べて落ちるが、熱伝導率(ワット/メートル・ケルビン)は117とステンレス(SUS304)の7倍、比重は2・7で同34%と非常に軽い。完全非磁性であり、表面抵抗が100分の1?1000分の1と低く電波障害がないといった特徴があり、携帯端末のシャーシではステンレス薄板(0・3ミリ厚)の代替として世界的スマートフォンメーカーにも採用されている。
 アルミ合金に置き換えるためには、製品の要求性能に応じた設計変更が不可欠。EC2?T6の場合、銅に比べて導電率や加工性が劣るほか、線膨張係数などが異なるため、これら特性を踏まえた寸法形状や機械的特性に対応した加工法が必要。また、GM55?H38でもステンレスでは一般的なレーザー溶接が使えない一方で、樹脂金属接合技術(NMT)といった最新技術の応用によって生産性の向上も可能だ。
 採用拡大の取り組みでは、これまでに蓄積した技術ノウハウをベースに設計や組み立て加工法を含む提案活動を積極化する。銅代替では放熱特性も念頭に輸送機器分野などで絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)といった用途への展開を図る一方、ステンレス代替ではアルミの意匠性を生かして外装材機能を含む筐体用途への展開や、電波抑制特性を応用して半導体チップのシールドカバーなどへの適用可能性を追求する考え。
 同社では、合金から設計・加工までのソリューションとして提供することで、国内アルミニウム市場の規模拡大につなげていく方針。

自動車関連ニュースの最新記事もっと見る