八千代工業は、HC(炭化水素)の超低透過および低揺動音を実現した樹脂製燃料タンクシステムを開発した。新システムは、独自のブロー成形技術によりバルブやチューブなどを成形時に内蔵することで、同社従来品に比べてHC透過量を12%削減。また、揺動音抑制バッフル(波消し板)の導入により燃料揺れによる音の発生を抑制し、静粛性を高めたほか、蛇腹付き押出フィラーパイプの採用により、輸送・保管時のコンパクト化を可能にした。北米のHC透過規制のLEV?に対応しており、同社では軽量・高機能タンクシステムとして提案していく。
 従来、ガソリンタンクはメッキ処理を施した鋼板をプレス加工し、張り合わせるように溶接して製作していた。しかし、現在では軽量化や、金属製と比較して複雑な形状に成形でき、車体内の限られたスペースに収納可能なタンクを製造できるメリットが評価され、急速に燃料タンクの樹脂化が進んでいる。
 樹脂製タンクは、一般的に中心に挟み込んだエチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)をバリア層とする4種6層構造をしている。製造法は金属タンクと同様に上下の部材を溶着する方法とブロー成形の2種類があり、ブロー成形では溶融した樹脂を同構造の円柱形にした「パリソン」を金型で閉じた後、空気を吹き込むことで製造する。
 新たに開発したビルトイン燃料タンクシステムでは、型締めを2段階で行うことでブロー成形時にバルブ、バッフル、チューブを内蔵化する。取り付けのための後加工を省略し、加工個所からの漏れを最小限に抑制することで、同社従来品に比べて1割以上のHC透過量の削減を実現した。
 また、燃料の流れを誘導・拡散するバッフル内蔵により、燃料誘導音の最大音圧の低減と音の原因である燃料の揺れの収斂性を向上させており、ハイブリッドやアイドリングストップ機構に対応した優れた静粛性を確保している。さらに押出成形と溶着技術の確立により、フィラーパイプを蛇腹構造を有する形状とすることで、パイプ自体を折り曲げることを可能とし、コンパクト化により輸送・保管の効率化を図った。
 同社では、すでに製造技術を確立しており、量産納入の早期実現を目指す。

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