旭有機材工業は、強化材に炭素繊維を、マトリックスの主成分にフェノール樹脂を用いた高強度のカーボンSMC(CSMC)の市場開拓に拍車をかける。同社の従来品であるガラス繊維を用いたフェノールSMCに比べ、強度は300%、比重80%となる。既存のCSMCと比べても強度が高い。耐熱・難燃性が高く軽いことから、自動車のブレーキやクラッチ、飛行機や電車の内装部品などに利用できるとみている。来年度下期以降から市場投入する予定。
 旭有機材の開発したCSMCは、ポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維と、同社が強みを持つフェノール樹脂の技術を融合したもの。一般的に、カーボン繊維とフェノールはなじみや密着性が悪いが、それを解決し強度を有するSMCの量産化に成功した。炭素繊維の繊維長は0・5インチと、1・0インチの2種類がある。繊維は2次元ランダムに分散しており、擬似等方性を有する。
 成形時に高い流動性を有する。金型の投影面積に対して70%程度のチャージ面積で成形できる。リブ部などの狭い場所へも材料を流入できる。金型を用いて一発で3次元形状に成形することができるなどの特徴がある。
 同社の実験によると、ビニルエステル樹脂を用いたCSMCに比べ、曲げ強度、曲げ弾性に優れていた。
 また、フェノール樹脂の部分を炭化させることで炭素複合材料「C/Cコンポジット」としての展開も検討している。同社の開発したCSMCを成形した後、フェノール樹脂を炭化させるもので、一般的なC/Cコンポジットと比べてコストメリットも出せるとみている。C/Cコンポジットは炭素材料の強度、耐衝撃性などの向上を目的に、高強度炭素繊維で補強された炭素複合材料。最先端技術分野をはじめ一般工業用分野にも使われる。

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