ゴム・金属の樹脂化を軸に軽量化を推進する鬼怒川ゴム工業。主力の車体シール製品では従来の加硫ゴム(EPDM)に加えて熱可塑性エラストマー(TPV)製品の開発を進めており、置換による比重差と発泡化により2005年比で40%の重量軽減を目指す。すでにグラスランは微発泡TPV品を事業化しており、現在は来年春の製品化を目標に高発泡品の開発を推進中。また、樹脂化をベースに製品の複合化も進めており、独自開発したパーテーション、サッシ、ウエストシール一体型グラスランの量産を中国で開始した。同社では環境負荷および製造コストの低減も可能とする樹脂化技術で業界をリードする。
 鬼怒川ゴムはゴム・樹脂製品を軸に事業を展開する自動車部品メーカー。ドアシールやグラスランといった車体部品で連結売上高の約半分を占めるほか、防振部品やホース部品、ブレーキ・型物部品などを生産しており、ユーザーの海外展開に追随して世界9カ国に14拠点を保有する。同社は加速する自動車産業のグローバル化を背景に、世界同一基準の実現に向けたモノ作り力のレベルアップと競争力向上を目的とした材料/工法/構造一体化による軽量化戦略に取り組んでいる。
 材料面のアプローチでは、EPDMからTPVへの置換および発泡技術による低比重化を推進中。製品によって剛性や遮音性といった特性をコントロールすることで材料使用量の削減や小型化にも取り組んでおり、すでに14年時点で05年比30%の軽量化を達成している。また構造一体化の取り組みでは、樹脂製で初となるパーテーション、サッシ、ウエストシール一体型グラスランの開発により、従来よりも20%軽量化するとともに外観性や水密性の向上、風音低減といった性能アップとモジュール化による低コスト化を実現している。
 取り組みのベースとなるのが多重押出工法や高度な発泡技術といった保有技術。複数の材料を同時に押し出して成形する多重押出工法は口金構造の設計が重要であり、高度な流動解析技術により5重押し出しの量産実績を有する。また、製品の機能・品質を左右する発泡技術では、発泡安定化のために材料の選定から設備仕様、製造条件など工程ごとの要素開発により、微細セルの均一分散を実現した独自の発泡押出ラインを構築している。パーテーション、サッシ、ウエストシール一体型グラスランも、金型構造や材料特性、成形条件の技術開発により製品化した。
 樹脂化の取り組みは生産プロセスの環境負荷低減にも効果がある。端材や廃材を生産工程内でリサイクルできるほか、ゴム製品に対しては加硫プロセスがないため生産サイクルの短縮化などにより電力消費量を63%低減することが可能。すでに廃却物最終処分量と製造電力量を05年比で50%以上削減しており、「材料コストは確かに高いが、トータルコストでみれば競争力は十分にある」(同社)とみている。
 同社では置換可能な熱可塑性エラストマーの共同開発などにも取り組んでおり、材料/工法/構造の一体開発により軽量化・樹脂化商品を拡大することでグローバル市場における優位性を確保していく方針。

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