自動車関連事業の世界展開を推進する一方、経営基盤の拡充を狙いに成長市場における新事業創出に取り組む住友理工。すでに防振ゴムは世界シェア25%、自動車用ホースも同14%を占めるまでに拡大し、昨年を第三の創業と位置付け「真のグローバル企業」へ歩み始めた。今年6月に就任した松井徹社長兼COOに今後の取り組みを聞いた。
 ? 企業として大きく飛躍するタイミングでの登板ですが、就任の抱負を。
 「ここ2?3年の急激な展開によりグローバルメガサプライヤーとしてのフレームワークはできた。欧州や南米の拠点確保によりグローバル供給体制を構築し、M&A(合併・買収)により欧州ユーザーへの足掛かりも築いた。また、技術面でもホース製品では材料や構造といったホース単体の強みに伊ダイテック社のアセンブリー技術が加わった。今後はM&Aで買収した企業との違いを踏まえつつ、これまでの何を残してどこを変えるか、住友理工としての軸をどこに置くかといったことを慎重に考えながらグループとしてまとめていく。また、新事業に関しては将来の新たな展開に向けた芽を育てるための環境づくりや方向付けを進めていきたい」
 ? 急速に進んだグローバル化に対して、組織制度面での取り組み課題は。
 「現地化の取り組みのなかでローカルスタッフの登用システムを整備していく。また、国内では若い年数で海外を経験させ適性をみるような制度の充実を図っていくことも重要だ。これまでの海外展開は日系ユーザーの現地対応が主だったため、グローバル化といっても相手は日本人だった。これからはそれですまないし、人材も足らないので使命の1つとして取り組んでいきたい」
 ? 生産拠点の海外展開については完了でしょうか。
 「地理的にグローバルをカバーする事業基盤は構築できたので、今後は各拠点・地域の最適化を進めていくことになる。伸びる市場で増設などを検討する一方、ロシアでは需要が落ち込んでいる防振ゴムの生産を休止する方向であり、いずれはホース製品との拠点統合も必要ではないか。現在、23カ国103拠点を展開しており、日本と中国・韓国、アジア、米州、欧州・アフリカの5極体制のもとで現地需要の変動に対応していく」
 ? 新体制のもとでの防振ゴムおよび自動車ホースの展開について教えてください。
 「防振ゴムは新たに加わった独アンビス社のユーザーに対する販売シェアを伸ばしていく。中国でも非日系の開拓余地はあり、非日系ユーザーを日系ユーザーと同じくらいまで増やすのが1つの目標。そのためには当社製品を知ってもらうこととユーザーニーズにきちんと対応していくことが重要だ。ホース製品も伊ダイテック社とのシナジーを活用してシェア拡大を図る。中国ではローカルの自動車メーカーは現地ホースメーカーの製品を採用しているが、環境規制の強化などによりわれわれの製品を使ってもらえるのではないか。システム化の取り組みも含めて伸ばす余地は十分にある」
 ? 新事業創出の取り組みについては。
 「これまでも自動車部品のサプライヤーとして最終消費者が求めるところに目を向けて、提案型の開発を差別化の手段としてやってきた。取り組みの方向性を少し変える必要があるかもしれないが、スマートラバー(SR)技術は自動車関係や健康介護分野への応用などセンサーとしての利用価値は高いと思う」

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