住友ゴム工業は、天然ゴム資源としてロシアタンポポの実用化を目指す。将来的な安定調達を確保するため、新たに米国ベンチャー企業・カルテヴァット(ミズーリ州セントルイス)との共同研究に着手した。環境負荷低減技術や石油外天然資源化技術といった保有技術とカルテヴァットのバイオマス技術を融合することで、「既存の天然ゴムを上回る特性を実現し、(自動車タイヤの)低燃費・高耐久化を目指す」(池田育嗣社長)方針。同社では調達ソースの多様化を通じてタイヤ事業の基盤強化を推進する。
 自動車タイヤの主材料である天然ゴム(シスポリイソプレン)はパラゴムノキの樹液を乾燥させている。植生が熱帯地域に限定されることから産出国は赤道近辺に集中しており、栽培面積の実に90%以上がアジア地域となっている。また、植樹から樹液採取までに7年間を要するため、需要変動への対応力が低いといった構造的な課題がある。
 地産地消の供給体制構築を目的に製造拠点のグローバル化を推進するタイヤメーカーにとって、原産地が偏在する状況は輸送面の環境課題を含めて事業効率化の足かせとなっているのが実情。また、世界的に成長するタイヤ市場を背景に今後も天然ゴム需要が拡大していくことは確実であり、植生地域の拡大など天然ゴム資源調達ソースの多様化の必要性が高まっている。こうした状況の下、すでにブリヂストンは米国でグアユールという多年草を原料にした天然ゴムの製造プロセスの研究開発に着手するなど資源多様化の取り組みを本格化している。
 新たな天然ゴム資源として実用化研究を進めるロシアタンポポは、温帯地域で栽培ができ、北米をはじめとして産出地域の拡大が可能。カルテヴァットはバイオ燃料などの原料を植物から生産する高い技術を持ち、その低環境負荷かつ持続性・収益性の高い植物の商業利用に関する豊富な経験と同社の保有技術とのシナジー効果が高いとの判断から共同研究に着手した。
 同社では、タイの自社農園におけるパラゴムノキの改質研究と並行して天然ゴム資源の多様化に取り組むことで持続的成長を可能とする事業基盤を構築する方針。

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