効率化を狙いに新車開発のモジュール化を推進する自動車各社。グローバル供給力によるサプライヤーの選別が進むなか、住友理工はモジュールおよびシステム開発を軸に自動車用ホース事業のプレゼンス向上を推進する。2013年に買収したDytech?Dynamic Fluid Technologies(ダイテック社)との技術融合により、すでに燃料タンク周辺配管システムやエアコンシステムなどを開発ずみ。同社では、基盤技術の拡充を背景にホース単品から配管システムを含む領域へと開発の取り組みを拡大することでさらなる成長を目指す。
 同社にとって自動車用ホースは防振ゴムと並ぶ自動車分野のコア事業。自動車産業のグローバル化を背景に海外展開を推進しており、ダイテック社を傘下に収めることで世界規模での体制構築を完了。自動車向けに油圧ブレーキ用を除くすべてのホース製品を展開するほか、接続用コネクターやウレタン製プロテクター、キャニスターといった関連部品・機器を内製するなど扱う品目・製品が幅広いのが特徴。独立系として国内自動車メーカーすべてと取引があり、ダイテック社買収後は海外メーカーへの販路拡大を積極化している。
 同社の強みは接着積層構造や低透過性といった高分子材料技術をベースにした製品開発力。耐熱ターボエアーホースがエンジンのダウンサイジング化を背景に販売を伸ばす一方、トヨタ自動車の燃料電池車・MIRAIにはFCスタックに水素を供給する水素ホースと圧縮した空気を供給するエアー系ホース(ウレタン製制遮音カバー付き)を供給するなど品質性能で業界をリードする。
 また、耐熱・耐久用途向けゴム製品の高機能化と並行して使用温度環境が100度C未満の用途で樹脂化を推進中。13年に開発した小型車に的を絞った細径燃料樹脂チューブでは、最適設計により従来の樹脂チューブに比べて内外径の半減化に成功。金属配管を置換することで60%の軽量化と柔軟性や搖動吸収性によるレイアウト設計の自由度を向上している。
 システム開発は、保有する技術・製品とダイテック社が有するモジュール製品の工程設計技術やシステムの評価解析技術の融合により取り組んでいる。キャニスターを含む燃料タンク周辺配管システムで環境性能の向上や軽量化、部品点数の削減による低コスト化を、エアコンシステムではAC配管モジュールと高減衰・低透過ホースの組み合わせにより高機能化とユーザーサイドの組み付け工数の低減を実現。新開発の樹脂フィラーネックモジュールは金属置換による40%の重量軽減および優れた燃料低透過性と、低圧損蛇腹形状によりスムーズな給油性と衝突安全性能を確保した柔軟性を両立している。
 モジュール開発やシステム提案の取り組みでは、開発・製造から組み立てまでの一貫体制と保有する技術・製品群、さらには独立系メーカーとしての豊富な情報量をベースに迅速かつフレキシブルな対応で差異化を図る計画。すでに燃料系システムなどの提案活動を本格化しており、並行してグローバル供給体制の基盤強化を進めることで事業規模の拡大を目指す。

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