ブリヂストンは、ハイブリッド車(HV)向けに薄肉シートパッドの量産を開始した。後部座席用に開発したウレタン製シートパッドは、独自配合と高度なプロセス制御により従来に比べて座面部分の厚みを25?40%低減できる。シートに求められるクッション性と耐久性の両立を単層フォームで実現したのが特徴で、バッテリー配置などによる座席下スペースの減少に対応できるため、国産の高級SUV向けに採用された。同ウレタン素材に独自の複合技術を応用することで軽量シートも開発しており、自動車シートの高機能化を通じて市場ニーズに対応していく。
 ブリヂストンは軟質ウレタン製シートパッドの国内最大手。保有する高分子材料技術をベースに原料配合から成形・加工までの一貫体制を構築し、硬質ウレタン製の車両用衝撃吸収材とともに化成品直需事業として展開している。製品開発では配合や発泡、高分子合成などの材料技術と設計技術や発泡制御、加工といった生産技術をベースにセル(骨格)コントロールによる高機能化を推進。自動車用シートパッドでは、人間工学に基づき製品の快適性や安全性の向上に取り組んでいる。
 ウレタン製シートパッドにとって厚みは乗り心地や座り心地を左右する大きな要素。薄くなるとたわみ(ストローク感)の減少により座圧が上昇し、厚さ70ミリメートルを境に急激に生理的な不快感が高まる。座席下スペースに余裕がある前列シートではスプリングなどの併用も可能だが、ガソリンタンクなどが配置される後部座席では頭上スペースの確保からそうした構造を採用できない。
 量産を開始した新シートパッドは、バッテリーやデバイスなどの搭載によりガソリン車に比べて座席下スペースが狭いHVの後部座席向けに開発した。独自技術によりシート特性を確保しつつウレタンフォームの高密度化を図ることで、70ミリメートル以下の薄肉化を可能とした。また、振動伝達特性のコントロールにより不快に感じる高周波振動を抑制したほか、単層フォームにより安定した品質を実現している。
 表面硬さを揃えつつ密度が異なる素材をシームレスに成形する独自の複合技術により軽量シートも開発ずみ。乗り心地に重要な尻下部に高機能・高密度な新ウレタン素材を採用することで製品全体で約10%の重量軽減を実現しており、車両軽量化のための差別化商品として提案していく。

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