マツダは、自動車の価値向上を目的に高分子材料技術の高度化を推進する。新たに開発したバイオエンプラでは、三菱化学の「デュラビオ」をベースに材料組成を最適化することで透明樹脂として従来材を上回る物性を実現。その優れた表面意匠性および表面意匠耐久性から材料着色による無塗装化を可能とするとともに、基材物性の向上により外装意匠部品へのバイオプラスチックの適用に道を拓いた。すでに新型ロードスターのカップホルダー部材として採用を開始しており、今後はさらなる高付加価値化を目指して同材料を生かした独自デザインの開発に取り組んでいく考えだ。
 世界的な環境保護の高まりを背景に、新車開発において樹脂部材の採用が広がっている。軽量素材として金属部品の代替などが進む一方、既存の樹脂部品では原料のバイオマス化や揮発性有機化合物(VOC)排出削減を目的とした無塗装技術の開発が活発化。工程省略化によるコスト削減も可能な無塗装化では、すでに独自材料の開発や成形技術の高度化による量産技術が実用化されているほか、バイオプラも内装部品への適用の取り組みが進んでいる。
 マツダでは軽量化(耐環境性)、デザイン性・高意匠化および減衰・消音といった高機能化を目的に高分子材料技術の研究開発に取り組んでいる。これまでに独自の発泡技術や分子量の違いを応用した材料技術により部材の軽量化を実現しているほか、バイオプラの取り組みではマツダバイオテックマテリアルとして高耐熱・高強度な自動車内装部品用バイオプラスチックや、世界初の植物由来100%の繊維からなる自動車用シート素材などの開発実績を有する。
 新バイオエンプラは、植物由来のイソソルバイドを原料とするデュラビオを母材に各種添加剤や着色剤などの配合を再設計することで開発した。部材表面の平滑性や深みのある色合いなど塗装を超える質感に加えて、塗装したABS樹脂と同等レベルの耐久性を有しており、金型仕様の最適化といった射出成形技術の改良を進めることで塗装部品の代替を実現。採用により部材の品質を維持しつつ原料のバイオマス化による石油資源の使用量削減やCO2排出量の抑制、無塗装化によるVOCの削減など環境負荷の低減が可能となる。
 とくにポリカーボネートやアクリルに比べて耐候性や耐傷付き性といった物性を大幅に向上しているのが新材料の特徴であり、これまでのバイオプラでは適用が難しかった使用環境の厳しい外装意匠部品へと用途分野を広げたことで材料としての可能性を高めた。同社では、既存部品の置き換えを主に採用拡大を検討する一方、すでに材料特性を生かした新デザインの研究に着手しており、今後の展開が注目される。

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