新日鉄住金は4日、日鉄住金鋼管およびエイチワンと共同で、角型鋼管による3次元熱間曲げ焼き入れ(3DQ)技術を用いた自動車のフロントピラーを開発したと発表した。金型を使用せずに複雑な形状の超高強度鋼管を高効率で製造できる技術であり、フロントピラーに採用することで優れた前方視認性や部品の軽量化を実現する。5月から発売されているホンダの新型NSXに採用されており、今後はボディ骨格全体への採用拡大を目指して自動車メーカーに積極提案していく。
 3DQ技術は、鋼管を局部的に加熱しながら焼き入れして強度を高めつつ、同時にロボットアームを用いて3次元での曲げ加工を行う技術・設備。3次元形状かつ1500メガパスカル級という高強度の焼き入れ鋼管を単一設備で製造でき、従来製法によるハイテン(高張力鋼板)製の部材に対して3?5割軽量化できる。角型鋼管のほか、丸型や一定の異型断面にも対応する。新日鉄住金グループが素材から工法まで含めて独自開発したもので、これまでに自動車シート補強材への採用実績を持つ。ホンダNSXのピラーは、量産車向けとしては2例目の採用事例となる。
 フロントピラーは、車の横転や衝突から乗員を保護するために高い強度が求められているだけでなく、ドライバーが安全に運転できるように前方視界の確保が求められる。そこで、強度確保に有利な閉断面部材(鋼管)で断面積を小さく取れ、かつ高強度化が可能な3DQに着目して最小重量で高い乗員保護性能を有しながら、前方視認性に優れるフロントピラーを実現した。新日鉄住金グループが3DQの機構開発および3DQに適した鋼管の供給を行い、エイチワンがボディ骨格への採用可能な量産技術の開発を担当した。
 今後はバンパービームやセンターピラーなどへの展開も視野に入れ、開発および提案活動を積極化する。

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