大同特殊鋼とホンダは12日、ハイブリッド車(HV)用駆動モーターに適用可能な高耐熱性と高磁力を兼ね備えた重希土類完全フリーの熱間加工ネオジム磁石を世界で初めて実用化したと発表した。大同特殊鋼は岐阜県で来月から量産・出荷を開始し、HV用駆動モーター用磁石市場に参入。ホンダは今秋発表予定の新型「FREED」(フリード)を皮切りに、新型車に順次適用を拡大していく。
 HVなどの駆動モーターに用いられるネオジム磁石は高温環境下で使用されるため高い耐熱性が要求される。これまでは重希土類元素(ジスプロシウム、テルビウム)が添加されてきた。ただ、重希土類元素は希少金属(レアメタル)に分類されるため安定調達・材料コストの面でリスクがあり、重希土類元素の使用量を低減することが課題だった。
 重希土類元素不使用のネオジム磁石は、大同特殊鋼の完全子会社であるダイドー電子(岐阜県中津川市、稲垣佳夫社長)が得意とし、耐熱性が高い磁石を製造可能な熱間加工法の技術を進化させることで開発に成功した。ホンダはこれに合わせて新しいモーターを設計。磁石形状に加えてローター形状も見直し、磁束の流れを最適化することでHV用駆動モーターに採用可能とした。従来の磁石を用いたモーター並みのトルク、出力、耐熱性を達成した。
 ダイドー電子は経済産業省の補助金を受け本社工場(岐阜県)に新製造ラインを建設し、8月から量産・出荷を開始する。磁石の原料となる磁粉はカナダのマグネクエンチ社から調達しており、同社との間で磁石のさらなる高性能化へ向けた原料磁粉の開発を行っていく。

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