西川ゴム工業は、卓越したシール(密閉)およびフォーム(発泡)技術をコアコンピタンスに世界規模で事業を展開するシール部品の専門メーカー。連結売上高の90%超を占める自動車部品事業では、独立系として国内自動車メーカーはもとより、欧米など海外メーカーに対して製品を供給する。CAE(コンピューター支援エンジニアリング)技術の高度化など開発基盤の強化に取り組んでおり、製品の高機能・高付加価値化や開発リードタイムの短縮といった面で先行し、優位性を確保していく。
 西川ゴムは自動車のドア周りに装着するウェザーストリップの国内最大手。高度な設計開発力が求められるコンバーチブル車で8?9割のシェアを確保するほか、市場の軽量化ニーズに対応して国内で初めてグラスランチャンネルに発泡技術を適用した実績を持つ。また、国内自動車メーカーの海外進出を背景に事業の世界展開を推進中。米国・中国・タイ・インド・メキシコ・インドネシアの海外6カ国に製造拠点を構えている。
 開発基盤の強化は、車体軽量化を背景とした設計開発の高度化に対応。適用する部材の軽量化によりシール部品の密閉性を確保することがより困難になっているほか、シール部品自体の低比重化の進展も要求性能の実現を難しくしている。
 こうした状況に対応するため、同社では5年前にシール性能の事前確認やベンチマーキングのための降雨試験場(シャワーブース)を新たに導入するなど評価・解析体制を拡充。シール性能をはじめとする各種基礎データを取り直すことで、CAE解析をはじめとした開発体制の高度化を図っている。
 すでにCAD上で構成要素の干渉チェックや動作軌跡を予測するキネマティック技術により3次元CAE解析による弾性体の複雑な挙動のシミュレーションを可能としたほか、3Dプリンターを活用したラピッド・プロトタイピング(RP)による試作の効率化を推進中。
 また、一連の取り組みをベースに、ユーザーとの企画・開発段階における各種アウトプットの共有をより強化することで量産化までの開発工数削減を実現している。
 こうした取り組みが評価され、ユーザーが評価試験のために降雨設備を活用するケースもあるという。同社では基盤強化を背景としてシールの方向性を明確にし、製品の高機能・高付加価値化とともに、国内外におけるシェア拡大を推進する考え。
 また、ウェザーストリップを主に取り組んできた水やほこりに対するシールエンジニアリングに加えて、「音」に着目した防音・快適性を追求する取り組みも進めていく。すでに無響室・残響室などの評価・解析設備を整備し、自動車向け防音製品としてドアホールシールを商品化しており、今後もトータルシーリングシステムとしてのNVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)低減に取り組む。

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