日本精工は、自動車用変速機の小型・軽量化に対応した固体潤滑被膜付き軸受けを開発した。新製品は外輪外径面の固体潤滑被膜により、軸受けと変速機ハウジング間の摩擦係数を低減。外輪が回転するクリープ現象によるハウジングの摩耗を抑制する。変速機の小型・軽量化の進展によりクリープ現象を起因とする不具合が発生しやすくなっている。従来品の置き換えによる信頼性向上を広く訴求することで2020年に20億円の売り上げを目指す。
 燃費向上を目的とした変速機の小型・軽量化が進展しており、それにともない変速機のハウジングや軸受けでは薄肉化が進んでいる。その結果、ハウジングと軸受けの間に隙間が生じたり、軸受けの外輪が変形することで本来回転しないはずの外輪が回転するクリープ現象が生じやすくなっている。クリープが発生するとアルミ製のハウジングが摩耗するため、振動増大や回転不良、摩耗粉による変速機内部品の機能低下といった不具合の原因となる。
 新開発の軸受けは、母材表面に処理された下地とその上に塗布された焼成膜からなる固体潤滑被膜を外輪外径面に成形したのが特徴。同被膜は、摩擦摩耗調整剤・固体潤滑剤の配合と摩擦摩耗調整剤の粒径を最適化することで耐摩耗性(耐はがれ性)を向上。また、樹脂バインダーの硬化剤の適正化により低温焼成を実現することで、母材である軸受け鋼の強度劣化を回避するとともに、焼成時間の短縮化によるコスト低減を図っている。
 同社では、評価試験で実用領域(20万キロメートル走行)におけるアルミ製ハウジングの摩耗量を被膜無し品に対して90%以上低減できることを確認ずみ。また、試験結果から開発品の採用により軸受外径で3ミリメートルのダウンサイズ効果があるとの知見を得ている。
 今年2月にクリープ荷重限界を向上した固定型の新軸受けをすでに商品化しており、積極的な製品開発を通じて幅広い市場ニーズに対応していく。

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