JFEスチールは自動車部品に使用されるハイテン(高張力鋼板)の高強度化を推進する。常温でプレスする冷間加工による自動車部品の強度で、世界最高となる1470メガパスカル級ハイテンによるバンパーレインフォースメントを実用化した。これまでの980メガパスカル級ハイテンを大幅に上回る高強度化を実現するとともに、鋼板を高温に加熱してプレスするホットプレス工法の生産性および製造コストの課題をクリアした。今後、同社ではドアインパクトビームや骨格部品など高強度が求められる他の自動車部品への展開を目指す。
 バンパーレインフォースメントは衝突時に乗員を保護する自動車前後部の部材。衝撃を受けとめるために鋼板の高強度化が求められるが、高強度化するほど成形加工が難しくなるほか、また遅れ破壊(プレス成形後の静的な脆性割れ)の発生が懸念されることから、これまでは主に980メガパスカル級ハイテンが使用されてきた。また、ホットプレス工法による高強度化の例もあるが、生産性および製造コストの課題から普及していない。
 1470メガパスカル級ハイテンは、西日本製鉄所(福山地区)にある独自の水焼入れ方式連続焼鈍プロセス(JFE?CAL)をベースに開発した。同方式の極めて高い冷却速度(1000度C/秒以上)を利用し、遅れ破壊の原因となる合金の添加を極限まで低減することで高強度と耐遅れ破壊特性の両立を実現。2014年から同ハイテンによるバンパーレインフォースメントの供給を開始している。
 自動車部品の高強度化は、衝突安全性の向上だけでなく車体軽量化によるCO2低減効果にも寄与する。この環境貢献が評価されて1470メガパスカル級ハイテンは第13回エコプロダクツ大賞の経済産業大臣賞を受賞している。

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