日本精工は、自動車用トランスミッションの小型・高効率化を可能とするニードルローラーを開発した。独自の特殊加工によりローラーの表面硬度を高めることで小型化による軸受け耐久性の低下に対応。また、潤滑油の低粘度化や油量減少に対し、ローラー表層部分に油溜まりとなる微細な凹部(ディンプル)を新たに形成し油膜保持性を高めた。既存の特殊熱処理品に比べて2倍以上の高耐久性を実現しており、これを採用した軸受けは自動車の燃費向上に寄与する。すでにサンプルワークを開始しており2020年に年間25億円の売り上げを目指す。
 世界的に進む規制強化を背景に、新車開発における燃費向上の取り組みが活発化している。トランスミッションでは潤滑油を起因とする摩擦損失の低減を目的に潤滑油の低粘度化が進んでいる。また、軽量化を目的としたトランスミッションそのもののコンパクト化の進展にともない、オイルポンプも小型化しており、潤滑油吐出量および潤滑油の絶対量は減少傾向にあるほか、使用する軸受けに対する小型化ニーズも高まっている。
 開発したニードルローラーは、希薄潤滑環境下における軸受けの損傷および相手部品に発生する摩耗などを防止する。軸受けの小型化ニーズに対しては浸炭窒化処理に加えて特殊加工を施すことで、浸炭窒化処理までの特殊熱処理品に比べて表面硬度を1・25倍に引き上げることに成功。また、エンジン関連部品で実用化している技術を応用し、新たにローラー表面に大きさおよび深さが数マイクロメートルの微細なディンプルを形成することで、油溜まり効果によりローラーと接触面の間の油保持性を向上させた。これにより低粘度油の希薄潤滑条件における摩耗耐久性を飛躍的に改善している。
 ニードルローラーは、遊星ギヤニードル軸受けやスラストニードル軸受け、シェルニードル軸受けなどの製品に組み込まれて各種トランスミッションで使用されている。開発した新ニードルローラーの採用により、これら軸受け部品はもとよりトランスミッションの小型化・高効率化が可能となる。今後、同社では20年モデルでの本格採用を目指し性能を広く訴求していく。

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