神戸製鋼所は、プレス生産性に優れたホットスタンプ用冷延鋼板(焼入れ後強度1470メガパスカル級)を開発した。新製品は鋼板成分の改良により焼入れ性を大幅に向上することで、従来比2?4倍程度のプレス生産性と冷却ムラによる強度不足の抑制を実現した。すでにトヨタ自動車・プリウスのボディ骨格部品向けに量産を開始している。
 近年の新車開発では、年々厳しくなるCO2排出規制を背景に車体軽量化ニーズが高まる一方、日米欧での衝突安全規制の強化に対応した車体の強度向上が課題となっている。課題解決の手段として、自動車用鋼板では高強度化による薄肉・軽量化の取り組みが進んでおり、引っ張り強度780メガパスカル級以上の高張力鋼板(ハイテン)やホットスタンプによる部材製造が実用化されている。
 一般的に鋼板はある温度以上に加熱した後、急速に冷却することで強度を高めることが可能。ホットスタンプ用鋼板はこの特性を生かしたもので、良好な加工性および寸法精度と超ハイテンより高強度な部品を製造できる。しかし、金型内で一定時間の冷却が必要なためプレス生産性が低く、また冷却ムラにより強度不足が発生しやすい。
 同社が開発したホットスタンプ用鋼板は、焼入れ性の向上により金型内の冷却時間を大幅に短縮するとともに冷却ムラを発生しにくくした。ホットスタンプ用鋼板での受注は、今回のプリウス向けボディ骨格部品が初めてとなる。
 今後、超ハイテン、ホットスタンプ用鋼板、アルミといった素材の高機能化をはじめ、加工法や鉄とアルミの接合を軸としたマルチマテリアル化提案を通じて自動車メーカーの軽量化ニーズに対応していく。

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