中大型商用車が荷物を満載状態で長い下り坂を走行する際などに、エンジンブレーキやフットブレーキとともに使用する補助ブレーキ装置(リターダ)。フットブレーキの多用による制動力低下を回避する安全装置であり、新日鉄住金では1990年に世界初の技術として小型軽量で搭載性、メンテナンス性に優れる永久磁石式リターダを実機化した実績を持つ。初期型の実機化以降、継続した性能向上に取り組んでおり、最新型では初期型との性能比較で質量あたりの制動力を2・1倍向上させるとともに、応答時間の53%短縮を実現している。
 永久磁石式リターダは、永久磁石の磁力を鋼製ロータへ非接触で作用させることで、フレミングの法則に従い回転方向と反対側に制動力を発揮する。
 初期型では強力なネオジム磁石を使用し、磁石列を軸方向スライドするON?OFF切り替え方式などを採用しており、小型軽量かつ優れた搭載性やメンテナンス性の実現によりリターダの普及率向上に貢献した。
 同社では、ロータ専用耐熱鋼をはじめ高効率磁気回路やロータ用複層銅メッキ技術、制動力多段切り替え制御技術、省部品点数の装置構造などの開発により、制動性の向上やさらなる小型軽量化、多段切り替えや応答時間短縮といったドライバーに優しい性能を実現してきた。
 初期型の実機化以降、車重規制緩和や燃費改善、排気ガス規制、ドライバーの疲労軽減といった商用車のブレーキに対するニーズは高度化および多様化している。同社では今後もリターダの性能向上に取り組むことで商用車の安全・安心の確保に貢献していく。

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