新日鉄住金は、自動車分野におけるチタン展伸材の普及拡大を推進する。新たにホンダの大型スポーツバイク最新モデル「CBR1000RR SP」の燃料タンクとエキゾーストシステムに同社材料が採用された。燃料タンクは昨年のオフロードバイクに続き、公道用量産車では世界初。新モデルではチタン薄板への材料置換により、樹脂製タンクに比べ40%強の重量軽減を実現した。鉄系部材の既存ラインで加工可能なことから、四輪車を含む自動車分野に対しチタン材料の優位性を訴求していく。
 CBR1000RR SPは、ホンダCBRシリーズの最上位モデル。徹底した軽量化と重心付近に重量のあるパーツを集めることで、軽量化効果と運動性能を最大化させるマス集中化を図っており、スポーツバイク特有の軽快感あふれるニュートラルなハンドリング特性を実現している。
 今回、新日鉄住金では車両の設計・開発を担う本田技術研究所にプレス成形性や溶接性、材質異方性といった加工上の課題に対する技術提案を実施。その結果、燃料タンクに同社製純チタン1種材(TP270C)が、エキゾーストシステムには同2種材(TP340Cなど)が採用された。樹脂製を上回る軽量化を実現した燃料タンクは、0・7ミリメートル厚(上部)と0・8ミリメートル厚(下部)のプレス成形部品を溶接した2ピース構造を採用。生産はホンダの熊本製作所の既存設備で行っている。一方、エキゾーストシステムでは同社製チタンがシステムの全体の軽量化とともにマス集中化に貢献している。
 同社のチタン展伸材は、JIS(日本工業規格)材でも加工性や色調に優れるのが特徴。また、現在は酸化膜の膜厚制御により優美性を備えたデザイニングチタン「トランティクシィ」をブランド化するなど他社材との差異化を図っている。すでに軽量素材としてチタンの使用実績のある自動車分野に対しては、材料特性とコストパフォーマンスの優位性をベースに既存素材からの置き換えを提案していく。

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