2019年10月15日(火)本紙掲載
呉建璋総経理
台湾の先端電子材料メーカーの愛迪克科技(ITK)は、カスタムメイド生産を強みに、銀ペーストなどの製品を展開。注力する日本市場の開拓に向けてパートナーを募り、事業機会を探っていく。
同社が運営する台南工場では、各種の導電性ペーストをはじめ、高熱焼結シンタリング銀ペースト、カーボンペースト、絶縁ペースト、特殊ペーストなどの各種電子材料を生産している。
高い品質や安定供給、価格面などが評価され、同社の製品は各方面で採用が広がっている。その一例が血糖測定器用途で、測定器の血液検査ストリップに銀・カーボンペースト向けに需要が拡大。とくに糖尿病患者が多いインド市場で需要の取り込みを進めている。
パソコンのメンブレンキーボードでも同社の銀ペーストや、絶縁ペースト、感圧接着剤などが広く採用されている。なかでも感圧接着剤はトップサプライヤーの位置にあり、キーボードの生産国である中国では約3分の2の市場シェアを握る。
導電性銀ペーストでは、注力分野であるハイエンド・ミドルエンド品が大手タッチパネルメーカー向けに採用が拡大。その一方で、ローエンド向けにもカスタマイズして供給するなど、あらゆる要求に応じるグレードを取り揃えている。
そのほかにも、基板などを保護する可剥性マスク用ペーストも市場に積極的に紹介。また、台湾では独オスラム社の唯一の代理店として販売するLED(発光ダイオード)や有機EL(エレクトロルミネッセンス)の蛍光体とともに、関連する銀・カーボンペーストを組み合せて提案している。
新規市場として着目するのは日本。品質と価格面を強みに販路を開拓する方針で、代理店の選定を進めていく。導電性銀ペースト年24トン、感圧接着剤240トンの能力を持つ台南工場では、生産体制に余力があることから、日系同業他社の製品を委託生産し、中国向けなどへの供給拠点として活用してもらう可能性も探っていく。
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