米アボットは、新型コロナウイルスの抗体検査キットを米国で発売すると発表した。感染から一定期間が過ぎた後、ウイルスに対する抗体の有無を検査する試薬。感染者の免疫獲得の確認や疫学研究、治療法・ワクチンの開発に役立てる。感染初期の患者を診断する検査キットも開発する。日本での発売は未定。

 感染から一定期間経ってから増えるIgG抗体を測定する検査薬。過去に新型コロナに感染し、体内に抗体が存在しているか確認するために使える。同社が販売している化学発光免疫測定法(CLIA法)のアナライザー「ARCHITECT」(i1000/2000SR)を使って検査する。今後ほかのアナライザーでも使えるようにする予定。感染初期に多く検出されるIgM抗体を測定するキットも開発中。

 新型コロナの特例措置を利用して、米国食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EAU)承認より先に発売する。欧州でも近く申請予定。日本での発売については「何も決まっていない」(アボットジャパン)という。

 アボットは、持ち運びできるサイズのPCR検査機器を用いて、5分で陽性反応が出る検査キットなども米国で販売している。同キットも日本での発売は未定。

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