岩崎電気は、UV(紫外線)ランプを強化する。新型コロナウイルス対策でニーズが高まる殺菌・環境衛生用途に対応する。UVランプを組み込んだ空気清浄機は、従来のデザインと量産性を高めた小型モデルを製品化。店舗や公共機関などの旺盛な需要に応える。UV照射による表面殺菌も、機器組み込み向けを軸に展開する。コンベアー付き殺菌装置など導入が容易な装置も提供し、UVランプ関連事業の規模を中期的に2倍程度まで育成していく方針だ。

 光・環境事業でUVランプとその応用製品を広く展開する。足元では新型コロナウイルス対策でウイルス不活化の需要が高まるなか、とくにUV照射は非接触で利用できるとともに、照射強度や時間を調整することで連続プロセスへの対応が容易などの特徴を持つ。

 空気清浄機は「エアーリア」ブランドで展開。内部にUVランプを配置した製品の旺盛な需要に応える。さらに、このほど小型機でデザインなどを工夫することで量産性を大幅に高めた「エアーリア コンパクト」を製品化した。従来は食品・電子など衛生環境での採用が中心だったが、店舗をはじめ幅広い引き合いがあることから、フル稼働体制で生産・提供する。まずは小型機で年間5000台以上の販売を目指すとともに、将来の需要拡大に応じてラインアップ拡充を図る。

 UVランプによる光殺菌関連製品も強化する。日用品や包装・配送などの表面殺菌用途で引き合いが増えており、タクトや照射対象に合わせた装置設計や、耐熱性による長時間駆動対応で組み込み利用を提案する。ベルトコンベアーと組み合わせた照射装置なども展開し、殺菌・ウイルス不活化の知見がない顧客にも負担なく利用できる殺菌・環境衛生ソリューションとして市場開拓を進める。

 同社は40年近くUVランプを展開しており、大学・研究機関と連携した効果検証なども積極的に行っている。食品、製薬、電子など既存領域での実績・ノウハウを生かし、広範な用途で普及を図る方針だ。

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