
製品材料について詳しく解説:炭素繊維 編
炭素繊維は、1961年に日本で開発された代表的な高強力繊維で、日本が世界で先行する数少ない製品の1つです。ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系の2種類があり、PAN系はアクリル繊維を、ピッチ系はコールタールまたは石油重質分を、それぞれ焼成・炭素化して作ります。材料として使用する際は、炭素繊維をエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で固めた炭素繊維複合材料(CFRP)にします。複合化することで、機能や加工性を向上できます。
炭素繊維の大きな特徴は、鉄よりも強く、アルミよりも軽いことです。比重は鉄の約4分の1、比強度(単位重量当たりの強さ)は鉄の約10倍です。軽量で高強度、高弾性率、さらに電気伝導性があり、腐食しにくいのが特徴です。
また、焼成・炭素化する工程を各社がノウハウとして持っており、製造条件の変更により広範囲の機能を得ることができます。炭素繊維の大半を占めるPAN系炭素繊維の用途は、主に一般産業、航空機・宇宙、スポーツ・レジャーの3分野で、一般産業向けが6割、航空機・宇宙向けが2割、スポーツ・レジャー向けが2割です。
このコラムについて
このコラムは『ケミカルビジネス情報MAP2025』より、一部抜粋して掲載しております。
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