735-7

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著者
竹林 征雄 編著
出版社
化学工業日報社
発行日
2021年4月27日
サイズ
A5判・368頁
ISBN
978-4-87326-735-7 C3033

本書の概要

【執  筆】

竹林 征雄:(一社)日本サステイナブルコミュニティ協会顧問[全体編集:はじめに、第1章、第3章、第11章、まとめ、謝辞]
山崎 慶太:株式会社竹中工務店 技術研究所[第2章、第6章、第8章、第9章、第10章]
谷渕 庸次:高山バイオマス研究所 代表(コンサルティング事業)、飛騨高山グリーンヒート合同会社 代表社員(バイオマス発電事業)[第4章、第5章]
東郷 佳朗:神奈川大学法学部准教授 法社会学専攻[第7章]

 私たちが暮らす日本は、自給できる貴重な燃料資源である森林を有しています。植林して手入れすれば永遠に再生でき、ペレット化して室内で使う、ガス化発電で集落の電気とお湯をまかなうなど、エネルギー利用効率の高い新技術が、今世紀になってどんどん進化していることを、都会に住んでいると実感できないのかもしれません。
 また、木の用途は建材や土木構造物だけでなく新素材の原料としても、どんどん拡大しています。使った後に最後は燃やせる、究極のエコ素材・木材を産む宝の山が、日本の森林なのです。
 化石燃料に頼り、地球を温暖化させ続ける都会と、水と食料と燃料をいざというときには自給できる田舎、どちらも選べる日本になり、環境を考える、身の回りのできるところから実践してみませんか。本書はそんな、豊かな世界への扉なのです。

【目  次】

推薦の言葉 日本総合研究所 藻谷浩介
はじめに
第1章 地球温暖化と災害、負のサイクル ~原因は人間自身に~
 1.1 日本の異常気象と災害
 (1)2018年の事例
 (2)2019年の事例
 (3)2020年の事例
 1.2 米国などでのハリケーンと森林火災
 1.3 地球温暖化による社会損失
 1.4 新型ウイルスと昆虫大量絶滅
 1.5 後がないCO2排出許容量と地球温暖化の負の循環
第2章 日本の森林と森林資源の持続可能性
 2.1 森林資源推移とそれを取り巻く社会
 (1)針葉樹林とその利用
 (2)広葉樹林の特徴と里山社会
 2.2 明治から現代までの森林資源
 (1)森林資源の推移と利用
 (2)針葉樹の植林、育成
 (3)針葉樹林における林業の持続性
 2.3 持続可能な林業を目指す施策
 (1)林業従事者を増やす
 (2)超長期産業である林業への社会的な認知
 (3)木材の新たな出口開拓
 2.4 森の「恵み・人類・地球・そして持続可能性」
 (1)森の恵み、森林の生態系サービス・多面的機能
 (2)森林をめぐる水・鉄(養分)の動き
 2.5 水と炭酸ガスの地球循環と植林
 (1)水の循環
 (2)炭酸ガス循環と植林
 (3)植林と森林システムの課題
第3章 エネルギーの現状と自立分散木質熱電併給システムの役割
 3.1 エネルギーの変遷と社会
 3.2 日本のエネルギー状況
 3.3 温暖化に対する社会改革の兆し
 3.4 自立・分散木質ガス化熱電併給の役割
 3.5 分散木質ガス化熱電併給の便益
第4章 自立分散木質熱電併給システム ~技術・燃料・運転・保守~
 4.1 木質ガス化発電の種類と特長
 4.2 熱電併給の原理および方式と特長
 4.3 規格に適合した燃料が稼働の命
 4.4 運転および保守に関する注意点
第5章 木質ガス化による熱と電気の利用
 5.1 熱供給での特長
 5.2 熱需要での特長
 5.3 熱供給システムの事例
 (1)基本事項
 (2)熱供給システム
 5.4 化石燃料からの代替率向上
 5.5 電力供給
 (1)売電を目的
 (2)自家消費を目的
 (3)レジリエンス電源としての役割
 5.6 経済性と炭酸ガス削減
 (1)FIT制度を利用した場合
 (2)電力の自家消費を行った場合
 (3)炭酸ガス削減量
第6章 木材による構造物と中高層建築
 6.1 木造建築のこれまでと現在
 (1)我が国の持続可能な木造建築・木造構造物
 (2)木を除いて日本文化を語ることはできない
 (3)第二次世界大戦後の我が国の木造建築
 6.2 「見直された」木の建築・構造物と低中層建築物の展開
 (1)高知県梼(ゆす)原(はら)町の木の建築、木の構造物
 (2)木材需要拡大とそのイノベーションによる実践事例
 (3)医療施設事例
 (4)中高層木造建築事例
 (5)取り戻したい木との暮らし、最近の木造住宅の事例
 6.3 ウッドチェンジによる世界と日本の低炭素化
 (1)世界の建物建設時のCO2排出量の傾向と森林資源の状況
 (2)日本の「建設部門」のCO2排出量の傾向と木材化の効果
 6.4 森と都市の共生
第7章 森林資源の社会的活用とコモンズ
 7.1 コモンズの概念―定義と分類
 (1)コモンズの概念とその拡張
 (2)コモンズの定義と分類
 7.2 コモンズの再定義―「ニュー・コモンズ」の提起
 (1)コモンズのルール
 (2)コモンズのルールとしての入会慣行
 (3)コモンズの原理
 (4)「ニュー・コモンズ」とその社会像
 7.3 ニュー・コモンズの実践-高山市における木質バイオマス利活用の取り組みに即して
 (1)高山市の森林・林業の現状
 (2)新エネルギービジョンの策定
 (3)自然エネルギーによるまちづくりの提言
 (4)飛騨高山しぶきの湯バイオマス発電所の建設・運用
 (5)高山市木の駅プロジェクトの運営
 (6)生物多様性ひだたかやま戦略
 7.4 コモンズの再生に向けて―「地域循環共生圏」の創造のために
第8章 コモンズの変遷と木質分散型エネルギーの導入事例
 8.1 森林資源とコモンズの変遷
 (1)コモンズの始まりは江戸時代から
 (2)江戸時代のコモンズ
 (3)明治維新以降のコモンズ
 8.2 事例紹介にあたり
 8.3 愛媛県内子町バイオマス発電所
 (1)愛媛県内子町の現状と経緯
 (2)内子町バイオマス発電所・木質ペレット燃料工場の概要
 (3)環境・経済・社会の地域循環システム
 (4)8.3項のまとめと今後の課題
 8.4 群馬県上野村バイオマス発電
 (1)群馬県上野村の現状と経緯
 (2)木質ペレット工場、木質熱電併給システムの概要
 (3)環境・経済・社会の地域循環システム
 (4)8.4項のまとめと今後の課題
 8.5 宮崎県串間市大生黒潮バイオマス発電所
 (1)宮崎県串間市、南那珂森林組合の現状と経緯
 (2)大生黒潮バイオマス発電所の概要
 (3)環境・経済・社会の地域循環システム
 (4)8.5項のまとめと今後の課題
 8.6 集合住宅や病院における自立分散型木質ガス化熱電併給設備導入事例
 (1)集合住宅における事例
 (2)病院における事例
 8.7 自立分散木質ガス化熱電供給以外の事例-青森県平川市と香川県東かがわ市五名地区
 (1)青森県平川市・津軽バイオマスエナジー平川発電所
 (2)香川県東かがわ市五名地区の「里山を地域資源とした薪の製造・販売による地域循環システム」
 8.8 事例のまとめ
 (1)国内導入事例のまとめ
 (2)環境・経済・社会を統合、つなぎあわせ森林資源を中核とするローカル・コモンズの形成
 (3)ローカル・コモンズとリージョナル・コモンズが地域で担う役割
第9章 オーストリアと日本の森林活用比較 ~山林業・エネルギー・地域づくり~
 9.1 森林・木材の利活用比較
 (1)両国の森林・木材の利活用
 9.2 木質エネルギーの活用比較
 9.3 オーストリアの地域熱供給
 9.4 草の根的な取り組みを可能にしたしくみ・組織
 9.5 社会的共通資本と森林と農業の在り方
 9.6 森林、農産業を中心とした新たな地域づくり
第10章 森林資源と地域創造型循環スマートコミュニティ
 10.1 ドイツのシュタットベルケ
 (1)シュタットベルケは半行政セクター
 (2)日本版シュタットベルケとしての群馬県上野村
 10.2 木造建築と木質熱電併給を活用した循環型スマートコミュニティ
 (1)データを活用した人中心の都市・まちづくり
 (2)知育循環型スマートシティ
 10.3 集住化住宅の森林資源供給元から総需要端までの電力・熱エクセルギー消費フローと快適性
 (1)一の橋バイオビレッジ集住化住宅
 (2)一の橋木造集住化住宅と札幌RC造住宅との断熱性比較
 (3)川上から川下までのフローで見えてくるライフスタイルとウッドチェンジ
 (4)分離の病と専門家の役割
第11章 森林資源におけるSDGs・ESG投資の社会
 11.1 SDGsについて
 11.2 SDGs構成と社会
 11.3 ESG投資とサーキュラーエコノミー
 11.4 森林資源と気候変動対応とSDGs
 11.5 森林資源における地域活性化とSDGs

[鼎談]森林活用による持続可能な社会
環境省事務次官 中井徳太郎氏×林野庁木材利用課長 長野麻子氏×東京大学教授 藤田 壮氏

まとめ~無限の経済成長より、まず安心安全な暮らしから~
 (1)グリーンリカバリー-「環境・社会・経済」からの整理
 (2)今後の課題
 (3)目指す森林資源による地域社会

謝辞