政府は30日、2021年版「厚生労働白書」を閣議決定した。2部構成で、その年ごとのテーマを取り上げる第1部では「新型コロナウイルス感染症と社会保障」をテーマに、コロナ禍がもたらした影響やその対策、社会保障の役割など分析。(1)危機に強い医療・福祉現場(2)社会保障におけるデジタル技術の実装化(3)多様な働き方を支えるセーフティーネット(4)性差によって負担が生じない社会づくり(5)孤独・孤立を防ぐ取り組みの強化-の5つについて論じた。

 コロナが医療に与えた影響として患者数の増加による病床のひっ迫、感染リスク回避による受診抑制が目立ったと指摘。感染対策の徹底でコロナ以外の感染症患者が減り、受診者数の減少につながったともした。また、民間病院のコロナ患者受け入れ傾向についても言及。公立病院と比べて規模が小さい施設が多く受け入れのハードルが高いが、大規模な民間病院は多くの患者を受け入れてるとした。

 医療体制面の変化として、オンラインによる診療や服薬指導が普及したと解説。感染リスクを避けつつ診察機会を確保するために制度の導入が進んだとした。今後、新たな感染症の発生・拡大に備えて、受け入れ場所や人材の確保、医療機関間の連携・役割分担を検討する必要があると訴え、危機に対応できる体制の構築を求めた。

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