【バンコク支局】タイ石油公社(PTT)グループで石油精製・石油化学大手のIRPCは、ナワミンタラティラート大学などと共同で、新型コロナウイルス感染症を搬送する陰圧隔離室用カバーを開発したと発表した。同大学とは医療機器などの品質を検査する研究室を設置することで合意。医療用具の国産化を推進する。

 プラスチック製袋などを手がけるアジア・ポリサックス、ナワミンタラティラート大学との協業で、新型コロナ感染症患者を搬送する陰圧隔離室用のカバーを開発した。IRPCのポリプロピレン(PP)を用いてアジア・ポリサックスが加工。価格は既存の輸入品の3分の1に抑えられるという。

 IRPCは、別の取り組みで、ナワミンタラティラート大学とスパンボンド(長繊維不織布)メーカー共同でPP製医療用防護服を開発した。感染者の治療にあたる医療従事者の2次感染を防止する用具を提供し、タイの医療体制維持に貢献する活動に力を入れている。

 ナワミンタラティラート大学医学部とは、保護服やサージカルマスク、医療機器の品質を検査するラボを建設する覚書(MOU)を締結した。医療用具の多くを海外から調達するタイで、研究開発や検査体制を整えて医療関連の国産化を促し、輸入依存度の引き下げに寄与する狙い。

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