経済産業省は、石油化学コンビナートなどの大容量の高圧ガス製造設備について、高圧ガス保安法のもと事業者が義務づけられている保安検査と定期自主検査の実施期日を4カ月延長した。4月10日から9月末までに期日を迎える事業者が対象。一定の猶予を与え、事業者が十分な感染拡大防止策を講じるための環境を整えた。

 高圧ガス保安法では、大容量の高圧ガス製造設備に対し、都道府県などによる保安検査と事業者が自ら行う定期自主検査を義務づけている。技術基準を満たしていることを確認するのが目的。一部の設備を除き前回の検査日から1年間を検査期間とし、これを過ぎるまでに検査を実施しなければ違法状態になる。

 化学プラントでは、大型定期修理(定修)が集中する春の「メジャーシーズン」を迎える。一般的に保安検査、定期自主検査も合わせて実施される。メンテナンスを含めて多くの人員が必要となる。

 新型コロナウイルスの感染予防には、要員を集中して作業を進めることが難しい。そこで経済産業省では事業者が十分な感染予防策を講じるための環境整備として、保安検査と定期自主検査の検査期間を4カ月延長した。

 4月10日から9月30日までに検査期間が終了する事業者が対象。ただ、定修では同じ事業者が複数の現場を請け負っているケースが多く、一部でのスケジュールの遅れは他の現場のスケジュールに及ぶ可能性もある。経産省では、今回の措置を実施したうえで、状況を踏まえながら柔軟に対応していく。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

エネルギー・素材の最新記事もっと見る