台湾特集 現地企業

2019年10月15日(火)本紙掲載

台湾奇鈦科技股份有限公司


製品の競争力向上を推進

Chitec

盧玉華総経理

 コーティング・樹脂添加剤を主力事業とする台湾奇鈦科技(Chitec Technology)は、足元の市場環境が急速に厳しさを増すなか、「製品そのものの競争力向上と、強い販売網の構築を進めていく」(盧玉華総経理)。

 同社の基本戦略は自社開発を軸とする機能品の提供で、創業当時から一貫してきた企業姿勢だ。昨年開発した反応型ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤が今年2月に欧州REACHへの登録が完了。同製品はポリウレタンコーティングと樹脂への応用や低色度、非移動性、低毒性の特徴を持つ。

Chitec Factory
革新的な製品の開発が進んでいる

 直近でも「ゲームチェーンジャーになり得る製品」(同)を開発しており、新たな紫外線防止剤「Chiguard GA403」の事業化を進めている。特徴の一つは、ブルーライトのカットに優れた性能を発揮する点。厚さ1ミリメートルのPETフィルムに1500ppmを添加した場合、元々のフィルムの色味を維持しながら波長405ナノメートルまでブルーライトをカットできるという。耐溶解性にも強い特徴を持つ。

同製品を添付したPET樹脂を対象に同社が実施した試験によると、濃度10%のエタノール、同3%の酢酸、植物油の各品目において溶出が検出されなかったという。PETやポリカーボネート、PMMA、ポリエチレンなどの樹脂を対象に、紫外線・ブルーライトフィルターや、UV保護が必要な製品向けの透明容器など用途に展開する。これまでに欧州REACHでの登録を済ませたほか、日本や、米国、台湾、中国などでも化学物質管理リストへの登録を進めていく。

 グローバルにおける販売網の拡大も進めており、重要市場に位置づける日本では今年7月から楠本化成をコーティング添加剤の販売代理店とする契約を締結。同社が持つ販路を活用して、日本で機能品の拡販につなげていく。


企業のコメント

 蛍光灯は、電離作用が弱いものの透過力が強いUVA-1(波長340-400nm)を放出します。
 紫外線の影響を受けやすい物質は、暴露の蓄積により悪い影響をうけます。

 PETボトルは波長320nm以上の紫外線を防ぐことはできません。
 カロチンやキャラメル色素などよく使われる食品添加物は、40日間蛍光灯に曝されると紫外線の影響で脱色してしまいます。

 Chiguard GA403を使えば、紫外線を防ぐことができ素材を保護することが可能です。

Chitec logo

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